絶景と、大自然へ。
世界遺産キナバル山/コタキナバルの観光コース ― ナバルの絶景・ポーリン温泉・登山
- エリア
- ボルネオ島サバ州・コタキナバル近郊(マレーシア)
- キナバル山
- 標高4,095m。東南アジア有数の高峰で、2000年に世界自然遺産登録
- 見どころ
- ナバルの絶景/キナバルパーク(国定公園)/ポーリン温泉・キャノピーウォーク/登山
- タイプ
- 日帰り観光コース(登山する場合は1泊2日が基本)
- 所要・距離
- コタキナバル市街からナバルまで約2時間・ポーリン温泉まで約3時間
- アクセス
- バスは複雑で上級者向け。貸切タクシー400〜500リンギット〔約16,000〜20,000円〕/日、または日本語ガイド付ツアー600リンギット〔約24,000円〕超(2人)
- ベストシーズン
- 朝なるべく早い時間帯(スコール前)が好天に恵まれやすい

キナバル山は、ボルネオ島・サバ州のコタキナバル近郊にそびえる標高4,095mの高峰。マレーシアの国定公園として整備され、2000年にはマレーシア初の世界自然遺産にも登録されました。一帯は自然の宝庫で、麓ではラフレシアに代表される独特の生態系が観察できます。登山をしなくても、絶景・国定公園・温泉とたっぷり楽しめる観光コースとして、その回り方をまとめました。
ナバルの、絶景。
観光のハイライトは、なんといってもナバルから望むキナバル山の全景。ただし天気は完全に運次第。スコールの多いマレーシアでは、晴れた瞬間をいかに掴むかが勝負どころです。
一番の盛り上がりナバルからの全景(運次第の絶景)Nabalu Viewpoint
ナバルからは、キナバル山の全景を一望できます。ただしこれだけ綺麗な光景が見られるかは、スコールの多いマレーシアでは完全に運。やはり朝なるべく早い時間帯のほうが好天に恵まれやすく(編集部が訪れたのは8:30)、なるべく早めの出発がおすすめです。編集部としても、ここの絶景が今回のコースで一番の盛り上がりポイントでした。

のどかな田舎町とお土産屋さんSouvenir & Town
近隣には民族風のお土産屋さんもあり、お値段も比較的リーズナブル。意外とコタキナバル市街地にはこういった品が少ないので、のんびり見てみるのもおすすめです。その間に雲が晴れて天気が変わるかもしれません(逆にスコールが来ることも)。コタキナバルなど都市部に比べると、このあたりはのどかな田舎町の風情。イスラム教では犬が禁忌とされますが、ここは犬や猫が多く、古くからの住民が多くイスラム教徒が少ないものと思われます。こうしたのんびりした光景に大変癒されます。
- 晴天は運次第。編集部はナバル到着時こそ快晴でしたが、出てすぐスコールに襲われました。もう少し遅ければ絶景は見られなかったほど。時間に融通の利く動き方を
- 田舎町は野良犬が多く、マレーシアは狂犬病が根絶されていません。発生率は高くないものの都市部の病院まで距離があり、十分注意した行動を
- なるべく朝早く出発して、好天の確率を上げるのがコツ
キナバルパーク(国定公園)。
キナバル山の麓に広がる国定公園。登山の場合はここが登山口になりますが、登らなくても簡単なトレッキングコースや動植物園など見どころがあります。

キナバルパーク(麓の国定公園・登山口)Kinabalu Park
キナバルパークは、キナバル山のふもとにある公園。登山の場合はこちらが登山口になりますが、登山をしなくても簡単なトレッキングコースや動植物園などの見どころがあります。基本的には、キナバル山の大自然の中をのんびり歩く、というテーマで訪れるのが良いと思います。
マレーシアらしさラフレシア・熱帯の動植物Rafflesia
動植物園には熱帯の植物がいて、そこそこ珍しい顔ぶれ(この時代なので日本でも見られはしますが…)。なかでもラフレシアは、その特性上日本ではなかなか見られない貴重な植物。積極的に見たい人ばかりではないかもしれませんが、せっかくなので編集部は見に行きました。ラフレシアや熱帯植物など、ときおりマレーシアらしさを感じられるのがこの公園の魅力です。
ポーリン温泉と、キャノピーウォーク。
ジャングルトレッキングと温泉が楽しめるエリア。旧日本軍が掘り当てたという温泉と、大自然の中を練り歩くキャノピーウォークがセットで楽しめます。
旧日本軍ゆかりポーリン温泉(水着で入る温泉)Poring Hot Spring
旧日本軍が掘り当てたと伝わる温泉ですが、現在はだいぶマレーシア仕様。共同浴場という文化がないせいか、水着で入るのが主流です。外には無料の足湯もありますが、だいぶ混んでいます。日本の温泉イメージで行くとあまり良いことはないので注意。「こういうものもあるんだな」くらいで、さらっと見に行くところ、という感想です。
景色◎キャノピーウォーク(大自然の空中散歩)Canopy Walk
キャノピーウォークは、大自然の中を練り歩ける空中遊歩道。キナバル山近辺をざくざくウォーキングでき、高い所から見下ろす自然の景色は綺麗です。「日本国内にも似たようなのあるだろ」と言われればそれまでですが、せっかくキナバル山まで来たのですし、登山はしないけれど練り歩きたいときにちょうどいいコース。景色も美しく、編集部としては結構おすすめです。
キナバル山登山。
本格的に山頂を目指すなら、原則1泊2日。施設は比較的きれいですが、地震の影響など最新情報の確認が欠かせません。
本格派向け登山は原則1泊2日・要事前手配Climbing
キナバル山の登山は、原則1泊2日が基本。登山施設としては比較的きれいなようです。山頂を本気で目指す人向けで、観光コースの一部としてはやや別格の存在。麓のキナバルパークが登山口になります。なお現在はサバ州立公園の登山許可証と、登録ガイドの同行が必須(自由登山は不可)。1日の登山者数も上限が設けられているため、数か月前からの事前予約が欠かせません。
- 登山にはサバ州立公園(Sabah Parks)の許可証+登録ガイドの同行が必須(自由登山不可)。1日の登山者数に上限があり、数か月前の予約が必要(枠数・料金・運用は変動するため、Sabah Parks公式で最新を要確認)
- 2015年6月5日の大地震の影響が一部に出たことがあり、最新状況はきちんと確認を
- 現在は日系会社を通じてきちんとコミュニケーションをとり、情報収集をした上での実施判断が安心
- 登山は1泊2日が基本。日帰り観光とは装備・体力・段取りが別物と考える
- ナバルの絶景が圧巻(晴れれば一番の見どころ)
- ラフレシアや熱帯植物などマレーシアらしさを感じられる
- キャノピーウォークの景色が美しい
- のどかな田舎町で異文化・癒しを感じられる
- 絶景は天候運次第(スコールが多い)
- ポーリン温泉は水着・混雑で日本の温泉とは別物
- 全体としては“普通の観光コース”な部分も
- 市街から遠く移動が長い(片道2〜3時間)
コタキナバル市街からのアクセス。
どこも市街から遠く、移動が長いのがネック。単独ならタクシー貸切、安心ならツアーが現実的です。費用感を整理しました。
ツアーが安心貸切タクシー or ツアー(費用相場)Access & Cost
バスもあるようですが、やや複雑な経路で上級者向け。単独で行くならタクシー移動が中心になります。最も近いナバルでも約2時間、ポーリン温泉エリアまでは約3時間みたほうがいいでしょう。コタキナバル市街地から一日貸切で400〜500リンギット(約16,000〜20,000円)が相場。これだけ払うなら、2人ツアーで600リンギット(約24,000円)超に日本語ガイドが付くので、ツアーで訪れたほうが安心で良いかもしれません。
コタキナバルの海と、市街。
山だけでなく、コタキナバルは海洋公園や市街の散策も魅力。山行きの前後に組み合わせると、サバ州の自然と街の両方を味わえます。

サバ州の海洋公園(看板より)Sabah Marine Park
コタキナバル沖にはサバ州が管理する海洋公園が広がります。キナバル山が「世界遺産の山」なら、こちらは透明度の高い海とサンゴが楽しめるもうひとつのサバの自然。山と海をセットで巡れるのが、このエリアの懐の深いところです。
海洋公園トゥンクアブドゥルラーマン公園(TARP・料金表より)TARP
コタキナバル市街のすぐ沖合に浮かぶ島々が、トゥンクアブドゥルラーマン公園(TARP)。5つの島からなる海洋公園で、ボートで気軽に渡ってシュノーケリングやビーチが楽しめます。入園には公園利用料がかかり(料金表が島の桟橋に掲示)、市街からの日帰りアクセスが良いのも魅力。キナバル山の山行きと組み合わせれば、山と海でサバ州を満喫できます。
行ってみての感想
個人的には、ナバルの絶景が一番の盛り上がりポイントでした。標高4,095m・世界自然遺産という肩書きは伊達ではなく、雲の切れ間から全景が見えた瞬間は本当に圧巻。ただ、その絶景もスコールひとつで一瞬にして消えてしまう。到着時は快晴だったのに、出てすぐ雨に襲われたのには笑ってしまいました。天候に振り回されるのも含めて、これがマレーシアの旅なのだと思います。
あとはまあ、正直に言えば「普通の観光コース」という側面もあります。ポーリン温泉は水着で入るスタイルで混雑していて、日本の温泉を期待すると拍子抜け。キャノピーウォークも「日本にも似たようなのあるよね」と言われればそれまで。それでも、ラフレシアや熱帯植物といったマレーシアらしい自然に出会えたり、のどかな田舎町で犬や猫がのんびり暮らす光景に癒されたりと、ところどころで異文化を感じられたのは良かったです。
キャノピーウォークの景色も美しく、総合的には結構おすすめできるコース。せっかくボルネオまで来たのなら、山だけでなくコタキナバルの海(TARPの島々や海洋公園)と組み合わせて、サバ州の自然をまるごと味わってみてください。皆さんの旅のお役に立てれば幸いです。
世界遺産の絶景も、温泉も、海も。
サバ州の自然をまるごと、ゆっくりと♪

