シンガポール
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Singapore Flyer
マリーナベイに、
巨大な車輪。
取材・写真 編集部高さ165m
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シンガポール・フライヤーに行ってきました ― マリーナベイの巨大観覧車、高さ165mからの眺望

タイプ
巨大観覧車(マリーナベイのランドマーク/1周約30分)
高さ
総高165m・直径150m。2008年4月開業、完成時は世界最大の観覧車(2014年に米ラスベガスのHigh Rollerが更新)
カプセル
28基・各定員28名のエアコン付き。床から天井までガラス張り
料金
大人40ドル(約5,000円)〜が目安(館内のTime Capsule込み・プランや時期で変動。公式で最新を確認
営業
毎日 10:00–22:00目安(最終入場は閉場の約30分前・変動あり公式確認を
所在
30 Raffles Avenue(マリーナ・センター)。最寄りMRT「Promenade」駅(サークル線・ダウンタウン線)から徒歩約5分
見どころは“高さ”と“どこから眺めるか”。足元から見上げる迫力と、街のあちこちに現れる車輪のシルエット。
見どころは“高さ”と“どこから眺めるか”。足元から見上げる迫力と、街のあちこちに現れる車輪のシルエット。

マリーナベイの東端にそびえる巨大な車輪——それがシンガポール・フライヤー(Singapore Flyer)です。総高165m・直径150mで、2008年4月の正式開業当時は世界最大の観覧車でした(2014年にラスベガスのHigh Roller・167.6mに抜かれましたが、いまも世界最大級)。28基のカプセルは各定員28名、床から天井まで全面ガラス張りで、1周およそ30分かけてゆっくり回ります。最上部の地上約165mからは、マリーナベイサンズ、ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ、CBDの摩天楼、晴れていれば遠くマレーシア方面までを一望。乗らなくても、街のあちこちからその姿が目に入る——ロンドン・アイと並ぶ、シンガポールを代表する観覧車ランドマークです。
今回はあいにくの曇天での訪問でしたが、それでも足元で見上げたスケール感は十分すぎるほど。乗った日の眺望、そして街のいろんな場所から再会した車輪の表情まで、写真とあわせてたっぷりご紹介します。

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まず、足元から見上げる。

チケット売り場のあるターミナル棟に近づくと、車輪のあまりの大きさに圧倒されます。あおりで見上げると、放射状に張られた無数のワイヤーと黒いカプセルの連なりが圧巻。曇り空の日でも、そのスケールは十分すぎるほど伝わってきます。

あおりで仰ぐ、車輪の全体像圧巻

あおりで仰ぐ、車輪の全体像The Wheel

ターミナル棟のすぐ手前から見上げると、車輪のリング全体が視界いっぱいに広がります。放射状に張られた細いスポークと、外周に等間隔で並ぶ黒いカプセル。直径は150mもあり、これは観覧車のリングだけでサッカーコート(約105m)を軽く超える大きさです。足元の曲線を描く三層のターミナル棟には「TIME CAPSULE」という館内アトラクションの宇宙柄パネルがびっしり貼られ、近未来的な雰囲気。とにかく大きく、写真ではスケールを写しきれないほどでした。

「SINGAPORE FLYER」のサインフォトスポット

「SINGAPORE FLYER」のサインThe Sign

ターミナル棟の前には、白い大文字の「SINGAPORE FLYER」サインが横一列に並びます。サイン越しに車輪を入れて撮ると、ここがどこかが一目で分かる定番の構図に。観覧車を背負って撮れるので、来たならまず押さえておきたい記念の一枚です。サイン周りは開けた広場になっていて、車輪の全体を画角に収めやすいのも嬉しいところ。

建物の上に伸びる、白い車輪

建物の上に伸びる、白い車輪Structure

少し角度を変えて低い位置から仰ぐと、白い主柱からターミナル棟の屋根越しに車輪がすっと立ち上がるシルエットが美しい。フライヤーはリングの片側だけを支柱で支えるキャンチレバー(片持ち)構造で、これだけの大きさを少ない柱で立たせている点に、改めて建築としての凄みを感じます。観覧車というより巨大な構造物。モノトーンに近い曇天の空が、かえって細いスポークの繊細さを際立たせていました。

少し離れた道路から見た全景。街路樹の向こうに車輪まるごとが収まる。ここまで離れて、ようやく全体が画角に入る大きさ。

少し離れた道路から見た全景。街路樹の向こうに車輪まるごとが収まる。ここまで離れて、ようやく全体が画角に入る大きさ。

2

そして、回るのは約30分。

搭乗口からカプセルへ。フライヤーは観覧車にしてはゆっくりで、1周およそ30分かけて回ります。床から天井までガラス張りのカプセルからは、マリーナベイとシンガポールのスカイラインがじわじわと開けていきます。

マリーナ湾に立つ、巨大な車輪絶景

マリーナ湾に立つ、巨大な車輪By the Bay

水辺から見ると、車輪の全体が一枚の絵のように収まります。放射状のワイヤーとカプセルの連なり、足元のターミナル棟、左に高架の橋——マリーナベイの広々とした水辺に立つ姿は、シンガポールらしい開放感たっぷり。夕方の薄青い空に浮かぶシルエットも見事でした。この水辺のプロムナードは誰でも歩けるので、乗らずにこの全景を眺めるだけでも来た甲斐があります。

乗る前に知っておきたいこと

カプセルは28基あり、それぞれ定員28名。エアコン完備で、床から天井まで全面ガラス張りです。観覧車にありがちな揺れる「ゴンドラ」ではなく、リングの外側に固定された箱型のキャビンが水平を保ったまま回るので、立って歩き回れるほど安定しています。高所恐怖症の人でも比較的乗りやすいタイプといえるでしょう。

1周は約30分(公式の体験表記は約30分、構造上は約32分)と、観覧車としてはかなりゆっくり。乗り降りも止まらずにゆっくり動いたまま行うため、ベビーカーや車椅子でもそのまま乗り込めます。最上部は地上約165m——ビルでいえば50階建て相当の高さに達し、晴れていればマリーナベイサンズやガーデンズ・バイ・ザ・ベイ、CBDの高層ビル群、遠くマレーシアのジョホールバル方面まで見渡せます。

料金は大人40ドル(約5,000円)〜が目安で、館内アトラクションの「Time Capsule」が込みになっているプランが一般的です。子供料金が設定されているプランもあります。ただし料金やセット内容、営業時間は変動するので、訪問前に必ず公式サイトで最新の価格と運行状況を確認してください。夕暮れ時は人気で、サンセットを狙うなら早めの予約が安心です。

豆知識:途中で“逆回転”になった観覧車

ちょっと面白い話を。フライヤーは2008年4月の開業当初、カプセルがマリーナ側から上がっていく向きで回っていました。ところが開業から4か月後の2008年8月、回転の向きが逆転します。理由は風水(フェンシュイ)の専門家の助言——「街の繁栄を取り込むには、車輪が市街地の方へ向かって回るべき」というものでした。巨大な観覧車の回転方向を風水で決めてしまうあたり、いかにも華人文化が根づくシンガポールらしいエピソードです。

運営の歴史も少し波乱含みでした。2008年末には電気系のトラブルで一時運転を停止、2013年には財政難で受託管理(再建手続き)に入り、2014年に地元のレジャー企業(Straco)が約140百万シンガポールドルで取得して運営者が代わっています。その後も点検や設備不具合で短期間の運休がたびたびあったため、訪問前に運行状況を確認しておくと安心です(過去の運休はいずれも一時的なもので、現在は通常営業しています)。

3

街のあちこちに、現れる。

フライヤーの面白さは、乗らなくても楽しめること。マリーナベイ一帯を歩いていると、ふとした瞬間に巨大な車輪が視界に入ってきます。眺める場所と時間帯によって表情が変わるのも、このランドマークの大きな魅力です。

マリーナ湾越しの、スカイライン

マリーナ湾越しの、スカイラインMarina Bay

湾の対岸から望むと、右手にマリーナベイサンズ、その手前に蓮の花型のアートサイエンス・ミュージアム、そして観覧車フライヤーが一枚に収まります。シンガポールの代表的ランドマークが勢ぞろいする構図で、フライヤーは街のスカイラインを構成する大事なピースのひとつ。マーライオン公園やマリーナベイ・サンズ前のプロムナードからの眺めが特に有名で、湾沿いの散歩そのものは無料で楽しめます。夜になればこの一帯がいっせいにライトアップされ、フライヤーも光の輪に変わります。

ガーデンズから望む、晴天の車輪おすすめ

ガーデンズから望む、晴天の車輪From the Gardens

ガーデンズ・バイ・ザ・ベイの高い位置から眺めると、青空を背景に白い車輪がくっきり。手前にスーパーツリー、奥にCBDのスカイラインが連なり、フライヤーが街の右端をきれいに締めます。晴れた日の眺めはやはり格別で、観覧車に乗らずともこの景色だけで満足できるほどでした。フライヤーとガーデンズ・バイ・ザ・ベイは徒歩圏なので、セットで回ると一日が充実します。

左:歩道橋の欄干越しに見上げる車輪。走る車と並べると、その巨大さがよく分かる。右:夜は外周が赤く縁取られてライトアップ。緑の木立の向こうに、半弧を描く光がゆっくり浮かび上がる——昼の構造美とは別物の、ロマンチックな夜の表情。
左:歩道橋の欄干越しに見上げる車輪。走る車と並べると、その巨大さがよく分かる。右:夜は外周が赤く縁取られてライトアップ。緑の木立の向こうに、半弧を描く光がゆっくり浮かび上がる——昼の構造美とは別物の、ロマンチックな夜の表情。

左:歩道橋の欄干越しに見上げる車輪。走る車と並べると、その巨大さがよく分かる。右:夜は外周が赤く縁取られてライトアップ。緑の木立の向こうに、半弧を描く光がゆっくり浮かび上がる——昼の構造美とは別物の、ロマンチックな夜の表情。

高層ホテルの客室から望むフライヤー。湾曲した歩行者デッキ(ヘリックス周辺)と緑地の向こうに車輪が立つ。マリーナ側の部屋なら、こんな眺めが望めることも。

高層ホテルの客室から望むフライヤー。湾曲した歩行者デッキ(ヘリックス周辺)と緑地の向こうに車輪が立つ。マリーナ側の部屋なら、こんな眺めが望めることも。

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チケットと、ベストタイム。

乗ると決めたら、知っておきたいのが料金プランとベストな時間帯。標準チケットには館内アトラクションが付き、選ぶ時間で見える景色がまるごと変わります。混雑やサンセット狙いのコツも含めて整理しておきましょう。

標準チケットと、館内のTime Capsule

もっとも基本となるのが、「フライヤー1周+Time Capsule」がセットになった標準チケット。大人で40ドル(約5,000円)〜が目安です(プランや時期で変動するため、最新は公式で確認を)。観覧車の眺望としてはやや高めですが、後述の館内体験が込みと考えれば納得感はあります。

セットになっている「Time Capsule(タイムカプセル)」は、ターミナル棟の中にある没入型のアトラクション。搭乗前のプレリュードとして、シンガポールの歴史や物語をインタラクティブな展示とシネマ演出で体感できる内容で、車輪に貼られた宇宙柄のパネルはこの世界観のものです。さらに、車窓に映る景色をARで解説してくれるスマホアプリ(FLYER360)も用意されています。乗って降りるだけでなく、ターミナル棟も含めて1〜2時間ほど楽しめる施設と考えておくと、料金の見え方が変わってきます。

このほか、シャンパン付きやガイド付き、貸切のプレミアムプランなど、記念日向けの上位チケットも用意されています。プロポーズや誕生日でフライヤーを選ぶ人も多く、夜のカプセルは特別な舞台になります。

昼か、夕暮れか、夜か

フライヤーは見る時間帯で別物になります。昼間は視界が利き、マリーナベイサンズ・ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ・CBDの高層ビル群、さらにマレーシア方面まで、シンガポールの地理が手に取るように分かるのが魅力。一方は、湾を囲む摩天楼の灯りとライトアップが宝石箱のように広がります。

欲張りなら、断然おすすめはサンセットの少し前に乗ること。1周約30分かけて回るうちに、明るい街並みから黄昏、そして夜景へと、三つの表情を一度に味わえるからです。その分この時間帯は最も人気で、特に週末や連休は混みやすいので、サンセット便を狙うなら事前予約が安心。なお眺望は天気に大きく左右されます。今回のように曇天だと遠くは霞んでしまうので、スケジュールに余裕があれば晴れた日を選べると満足度がぐっと上がります

5

まわりも、丸ごと楽しむ。

フライヤーはマリーナベイ観光の“東端のピース”。最寄り駅から徒歩数分で、周りには歩いて回れる名所がぎっしりです。アクセスと、あわせて訪れたいスポットをまとめておきます。

行き方と、まわりの名所

所在地は30 Raffles Avenue、マリーナ・センターの一角です。最寄りはMRT「Promenade(プロムナード)」駅(サークル線・ダウンタウン線)で、そこから徒歩約5分。市内中心部からのアクセスは良好で、タクシーやGrabでも分かりやすいランドマークです。

フライヤーの強みは、周辺がそのままマリーナベイ観光のハイライトであること。徒歩圏にマリーナベイサンズ、蓮の花型のアートサイエンス・ミュージアム、湾をぐるりと結ぶヘリックス橋、夜のショーで知られるガーデンズ・バイ・ザ・ベイが並びます。湾沿いのプロムナードは一周できる遊歩道になっていて、フライヤーを起点に歩けば、シンガポールの“映える”名所を半日でつなげられます。F1シンガポールGPの市街地コースもこのマリーナ一帯を走るため、レース時期はまた違った熱気に包まれます。

暑さ対策として、日中の屋外移動は水分補給を忘れずに。夕方からはぐっと歩きやすくなるので、午後遅めにフライヤー周辺へ来て、夕景〜夜景の流れで湾を一周するのが、編集部のおすすめの回り方です。

◎ おすすめポイント
  • 高さ165m・直径150mのスケールは圧巻(完成時は世界最大)
  • 全面ガラス張りのカプセルでマリーナベイ一帯を360度見渡せる
  • 1周約30分とゆっくりで、撮影や食事プランにも向く
  • 乗らなくても街のあちこちから姿を楽しめる(散策は無料)
  • 最寄りPromenade駅から徒歩約5分とアクセス良好
△ いまいち・注意点
  • 料金は大人40ドル前後とやや高め(マリーナの眺望は他にも選択肢あり)
  • 料金・セット内容は変動するので公式確認が必須
  • 曇天や雨だと眺望が伸びず、天気に左右される
  • 回転がゆっくりな分、滞在時間は長めに見ておきたい
💡 行く前に知っておきたいコツ
編集部の評価(5段階)
インパクト ★★★★★ 165mの車輪は文句なしの迫力
眺望 ★★★★ 晴れればマリーナ一帯を一望(天気次第)
アクセス ★★★★★ Promenade駅から徒歩5分・湾岸散策のついでに
コスパ ★★★★★ 大人40ドル前後とやや高め・眺望は他にも選択肢

行ってみての感想

正直、観覧車は世界中どこも似たようなもの……と思っていました。ところが実際にマリーナベイで足元から見上げると、その165mという高さのスケールに素直に圧倒されます。放射状のワイヤーと黒いカプセルの連なりは、観覧車というより巨大な建築物のよう。あいにくの曇天でしたが、それでも十分すぎる迫力でした。

そして歩いていて面白かったのが、街のあちこちでこの車輪に再会すること。湾の対岸からはマリーナベイサンズと一緒に、ガーデンズ・バイ・ザ・ベイからは晴天の青空を背景に、夜は赤くライトアップされた半弧として——眺める場所と時間で、まったく違う表情を見せてくれます。乗れば最上部からの眺望が楽しめますが、料金はやや高め。まずは外から眺めて、気に入ったら乗ってみるくらいの距離感がちょうどいいかもしれません。皆さんの旅のお役に立てれば幸いです。

マリーナの空に、ゆっくり回る大きな車輪。
ベイ歩きとあわせてぜひ♪

夜のガーデンズ・バイ・ザ・ベイの遊歩道から。木立の向こうに、赤と青に光るフライヤーとシティのスカイラインが浮かぶ。日が暮れてからの表情もまた格別。

夜のガーデンズ・バイ・ザ・ベイの遊歩道から。木立の向こうに、赤と青に光るフライヤーとシティのスカイラインが浮かぶ。日が暮れてからの表情もまた格別。

マリーナベイを、もっと。

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