治安がいい。
シンガポールの治安は実際どう? ― 統計と体感、要注意エリア・法律の注意点
- 安全度
- 世界トップクラス(世界平和度指数2025で6位・アジア1位/日本は12位)
- 体感
- 邦人の凶悪犯罪被害はここ数年なく、体感も日本と同等以上
- 注意エリア
- ゲイラン(夜の街)は近寄らない/リトルインディアは軽犯罪(特に日曜夜)
- 健康面
- 蚊(デング・ジカ)と、9〜11月に多いヘイズ(煙害)に注意
- 法令
- ポイ捨て・地下鉄飲食禁止、薬物は重罪(死刑も)。日本人も対象

シンガポールの治安の良さは有名で、統計では日本より良いとされることも。編集部も何度も訪れていますが、これほど安心できる外国はなかなかありません。とはいえ「まったく何もない」わけではないのが海外。ここでは客観データと体感の両面から、知っておきたい点を整理します。
統計でも、トップクラス。
まずは客観的な指標から。世界的に見て、シンガポールの治安はどのくらい良いのでしょうか。
2025年世界平和度指数で、アジア1位日本(12位)より上
英エコノミスト系の世界平和度指数(GPI)2025年版(163か国対象)で、シンガポールは世界6位・アジアで1位。上位はアイスランド・アイルランド・ニュージーランド・オーストリア・スイスといった欧州の平和な小国で、それに次ぐ位置です。日本は12位なので、それより上。世界的に見てもトップクラスに治安が良い、と評価されています。
安心材料大使館情報も“一般論”どまり邦人の凶悪被害は数年なし
治安の悪い国の外務省・安全対策データには背筋の凍る警告が並びますが、シンガポールは「置き引き・スリ・盗難に注意」「テロに注意」といった一般論どまり。現地日本大使館の四半期情報でも、殺人・強盗・誘拐などで邦人が巻き込まれる被害はここ数年発生していません。特筆される犯罪は痴漢、あとは高齢者を狙った詐欺やカード犯罪と、日本と似た顔ぶれです。とはいえ海外。油断せず、自分の身は自分で守りましょう。
安全の裏には、厳しい法律。
シンガポールがこれだけ安全な理由のひとつが、徹底した取り締まり。旅行者も“取り締まられる側”にならないよう注意が必要です。
- ポイ捨て・地下鉄での飲食は禁止。蚊の発生を放置するのも違法(熱帯ゆえ感染症対策が厳格)。
- 薬物犯罪は極めて重罪。一定量以上の取引は有罪で必ず死刑。警察の権限も強く、令状なしの逮捕・捜査も可能。
- むち打ち刑が現存(16〜50歳の男性が対象)。1回でも相当のダメージがあるとされます。これらは日本人にも執行されます。
厳しさと引き換えに、極めて良好な治安が保たれているのも事実。街中に張り巡らされた監視カメラが証拠として機能し、抑止にも一役買っています。とにかく、取り締まられる側にならないこと——とくに薬物は、知らない人の荷物を預かったことで巻き込まれる例もあるため、用心しすぎるくらいでちょうどいいでしょう。
健康面治安以外の“安全”:蚊とヘイズ熱帯ならではの注意
犯罪以外で気をつけたいのが蚊。熱帯ゆえデング熱やジカウイルスが流行しやすく、これは周辺国共通です(ただしシンガポールの蚊対策は徹底的で、日本より進んでいると感じるほど)。もう一つがヘイズ(煙害)。インドネシアの野焼きに起因する大気汚染が風で流れてくるもので、発生すると霧のように空気が悪化し体調を崩しがち。特に9〜11月に多いので、時期が重なる場合は備えておきましょう。
それでも、要注意の2エリア。
全体は安全でも、例外はあります。東京や大阪に治安の差があるのと同じです。
回避ゲイラン:基本は近寄らない政府公認の売春街
マリーナベイにも比較的近いゲイランは、政府公認の売春街。その性質上、集まる人もそうした目的が多く、シンガポールの中では治安が良くないエリアです(土地柄ホテルが安く、バックパッカーもいます)。近隣の東南アジアと比べれば悪い部類ではないものの、不用意に近づく必要はありません。
日曜夜は避けるリトルインディア:軽犯罪と、日曜の夜過度に恐れる必要はないが
リトルインディアは、犯罪の多さという点ではゲイランほどではありません。ただ軽犯罪(スリ・釣り銭ごまかし)には警戒を。有名な24時間モール「ムスタファセンター」では入口で鞄の口を結束バンドで留められるほどで、それはシンガポールでもここくらい。平日昼は問題ありませんが、日曜の夕方〜夜は、おびただしい数の人が集まり混雑し、治安も悪化しがち(2013年には44年ぶりの暴動も発生)。理由がなければ日曜夜は避けるのが無難です。
体感としても、本当に安心。
ここからは編集部の主観多めの実感です。
体感“タクシーに安心して乗れる”のが治安アジアでは貴重
治安は、タクシーに表れると考えています。空港タクシーで平然と倍額をふっかけられた国、高級モールの乗り場で謎の追加料金を求められた都市、偽Grabが客引きする空港……アジアのタクシーは嫌な思いをしがち。その点シンガポールは安心して乗れて、しかも安い。深夜にカメラ片手に歩いても危険を感じる場面はほとんどありません(もちろん大通り中心で、変な小道には入らない前提です)。
油断大敵唯一の実害は、リトルインディアの釣り銭ケルバウ・ロード
それでも、唯一の実害を挙げるならリトルインディアの釣り銭ごまかし。小さな商店で、渡し忘れたふりをして一番大きいお札を返してこない——手慣れたもので、編集部も油断して何度かやられました。被害は5ドルほどと小さいものの、油断していたぶん悔しいもの。釣り銭は小さい額でやり取りするのが、このエリアの基本です。
さいごに:安全だけど、ゆるみは禁物
シンガポールは本当に治安が良く、つい気がゆるみがち。だからこそ釣り銭をごまかされる、なんてことも起きます。一般的な海外の注意さえ守れば、かなり安心して楽しめるのがシンガポール。そして“治安の良さ”と“取り締まりの厳しさ”はセットなので、取り締まられる側にならないことだけは、くれぐれもお忘れなく。エリアの歩き方は シンガポール観光ガイド もどうぞ。
