香港油鶏飯面(ホーカー・チャン)― 屋台から世界へ、伝説の醤油チキン
- 料理
- 醤油チキンライス/チキンヌードル(こちらが看板)
- 価格帯
- ホーカー本店 チキンライス$2前後/路面店 $3.8・麺$4.8($=SGD・2019取材時)
- 本店
- Chinatown Complex Food Centre 内(2Fホーカー)
- 最寄り
- MRT チャイナタウン駅/マクスウェル駅
- 認定
- 2016年ミシュラン一つ星(世界初の屋台店)※2021年版で星なし
- ベスト
- 行列必至。開店直後〜昼前が狙い目

チャイナタウンの一杯のチキンライスが、世界で初めてミシュランの星に輝いた屋台になった――それが香港油鶏飯面(ホーカー・チャン)。$2前後で“星付き”が食べられる、と世界中が驚いた伝説の店です。星そのものは2021年に外れましたが、行列はいまも健在。シンガポール食べ歩きの象徴のような一軒です。
屋台から、世界へ。
物語の主役は、創業者シェフのチャン・ホンメン(陳翰銘)さん。15歳で香港の料理人に弟子入りし、醤油チキンの技を仕込まれました。その腕一本で、彼は世界を驚かせます。
“世界一安いミシュラン”が生まれた日
チャンさんが自分の屋台「Liao Fan Hong Kong Soya Sauce Chicken Rice & Noodle」をチャイナタウン・コンプレックスのホーカーに構えたのは2009年。ごく普通の屋台でした。
転機は2016年。ミシュランガイド・シンガポールの初版で、この屋台が一つ星を獲得します。「世界で初めて星を獲った屋台料理」「世界一安いミシュラン星」として一気に世界の話題に。連日、数時間待ちの行列ができました。
その後はHersing Culinaryと組み、「Hawker Chan」ブランドとして清潔な路面店や海外フランチャイズ(30店舗超)へと拡大。2021年版のガイドでは星を外れましたが、屋台発のサクセスストーリーは、いまもこの店の何よりの看板です。
2016 ★星を告げた、あの看板One Michelin Star 2016
店頭に大きく掲げられたミシュラン受賞を誇るサイン。英語と中国語で実績が並びます。屋台がここまで世界に名を轟かせた例は珍しく、シンガポールの“ホーカー文化”そのものが評価された出来事でもありました。星は2021年版で外れましたが、看板はいまも誇らしげ。

壁を埋める、報道の数々As Featured In
ダイニングの壁には、世界中のメディアが報じた記事がびっしり。国内外の客が次々と訪れ、ここが単なる人気店ではなく“現象”だったことが伝わってきます。歴史を肴に食べる一皿は、味も少し格別に感じられるから不思議です。
本店は、ホーカーの中。
ホーカー・チャンには“2つの顔”があります。一つは星を獲った本店=チャイナタウン・コンプレックスのホーカー屋台。もう一つは、受賞後にできた清潔な路面店。観光で訪れるなら、まずこの違いを押さえておくと迷いません。
本店はここ目印はチャイナタウン・コンプレックスChinatown Complex
カラフルな外装に赤い装飾のチャイナタウン・コンプレックス。本店の屋台はこの2Fフードセンター内にあります。最寄りはMRTチャイナタウン駅(マクスウェル駅からも近い)。建物が大きく屋台数も膨大なので、フロアの案内表示と店番号を頼りに進むのがコツです。

焼き鶏が並ぶ、本店スタンドThe Original Stall
これが本店の屋台。つやつやの醤油チキンがカウンターに吊るされ、行列が絶えません。星付き当時の本店はチキンライスが$2前後と激安で、その安さも伝説の一部でした。場所は分かりにくく混みますが、“あの屋台”を拝みたいならやはりここ。並ぶ覚悟で向かいましょう。

番号表示の、回転は速いOrder & Wait
カウンター内ではスタッフが手際よく調理し、デジタルの番号表示で受け渡しが進みます。行列は長く見えても、回転はかなり速いのが救い。先に料理を受け取ってから席を探すスタイルなので、相席・トレー返却などホーカーの作法に慣れておくとスムーズです。

路面店という、気楽な選択肢Shop Front Option
一方、受賞後にできた路面店は広く清潔で空いていることが多く、観光客には気楽。その分ホーカー本店よりやや高め(チキンライス$3.8)です。写真はチャイナタウン・フードストリート界隈の案内。“伝説の屋台”を体験したいなら本店、快適さ重視なら路面店と割り切るのがおすすめです。
- 本店はチャイナタウン・コンプレックス2F。建物が広いので店番号と案内表示を頼りに。
- ピークは昼。開店直後〜昼少し前が比較的すいていて狙い目。
- 快適さ重視なら路面店(清潔・空いている)。本店より少し高いだけ。
- 支払い・受け取り後に席を探すホーカー方式。トレー返却もお忘れなく。
名物は、実はヌードル。
“チキンライスの店”というイメージが強いですが、地元の評価が高いのは実はチキンヌードル。ライスは「わりと普通」という声もあり、せっかくなら看板の麺を試したいところです。
看板醤油チキン・細麺・青菜の一皿Soya Sauce Chicken Noodle
つやめく醤油チキンに、たれの絡んだ細麺、添えの青菜。これがこの店の真骨頂です。チキンは見た目より淡白で上品な味わい、麺は香ばしい醤油だれがよく絡みます。路面店で麺$4.8ほど。チキンライスも悪くありませんが、看板はやはりヌードルと覚えておきましょう。


左:たれの絡む細麺のアップ。右:しっとり仕上げの醤油チキン。シンプルゆえに技が出る一皿。
店内全景。行列待機エリアもあり、回転は速い。観光客と地元客が入り混じる。
🧾 編集部が頼んだもの(2019取材時・$=SGD)
価格は変動します。最新は店頭表示を確認ください。
- “看板”はチキンヌードル。ライスより麺を推す声が多い。
- 醤油チキンは淡白で上品。がっつり系を想像すると意外に感じるかも。
- 少人数ならヌードル+ライスを1つずつシェアして両方試すのも手。
星はなくとも、伝説は伝説。
ミシュランの星は外れました。それでも“世界を驚かせた屋台”という事実は変わりません。値段・話題性・歴史――どれを取っても、一度は並ぶ価値のある一軒です。
- 屋台発の世界的サクセスストーリーを“その場”で味わえる
- 本店はチキンライス$2前後と激安。話のタネにも
- 快適さ重視なら清潔な路面店という選択肢もある
- 2021年に星は外れた(味は健在だが期待値は調整を)
- 本店は場所が分かりにくく行列。ピークは特に混む
- 看板は麺。ライスだけだと「普通」と感じる人も
✎ 行ってみての感想
正直なところ、星付き当時の“神格化”された期待で行くと、味は「想像より淡白で上品」と感じるかもしれません。でも、$2前後でこの一皿、そして屋台がミシュランを獲ったという物語を思えば、満足度はぐっと上がります。
個人的には、看板のチキンヌードルを推したい。香ばしい醤油だれの麺は、ライス以上に“この店らしさ”が出ています。壁の報道記事を眺めながら、シンガポールのホーカー文化がここまで来たんだ、としみじみする――そんな一杯でした。
屋台が世界を驚かせた、あの一皿。
並んででも、看板のヌードルを♪

