マレーシア
▶ マレーシア
Langkawi
ランカウイ島、
のんびり、絶景。
取材・写真 編集部世界ジオパークの島
▶ ランカウイ島

ランカウイ島 完全ガイド ― のんびりリゾートの免税の島

マレーシアの最北西、アンダマン海に浮かぶ小さな島がランカウイ島です。対岸にはタイの島々が見える国境の島で、島全体がユネスコ世界ジオパークに認定された、自然ゆたかなリゾートアイランド。正直に言えば「これを見に行く!」という派手な観光名所は多くありません。けれど、開発が制限された島には落ち着いたビーチがいくつもあり、その水際に世界的なリゾートホテルが点々と建っています。
最大の魅力は、ずばり「何もしない贅沢」。客引きが禁止された静かな浜辺、ケーブルカーから望む島と海の絶景、マングローブの川をゆくカヤック——あくせくせず、ゆっくり過ごすのが似合う島です。おまけに免税の島なので、酒もチョコも割安。初めてだと「何を楽しむ島?」が分かりにくいので、実際に何度も訪れた経験をもとに、見どころと基礎知識を整理します。

ランカウイ島の見どころ早わかり。ジオパークの自然・ビーチ・絶景ケーブルカー。
ランカウイ島の見どころ早わかり。ジオパークの自然・ビーチ・絶景ケーブルカー。
ランカウイ島 DATA
タイプ
のんびりリゾート+免税の島(4泊6日〜が定番)
場所
アンダマン海・ケダ州の沖(タイ国境近く/マレーシア最北西の島)
行き方
日本から直行便なし(KL・ペナン・シンガポール等を経由/本土からフェリーも)
島内移動
電車・バスなし。タクシーかレンタカー(Grabも走る)
ベストシーズン
常夏で台風なし。乾季の12〜3月がベター(雨季もスコール程度)
物価/両替
体感日本の約1/3。免税島で酒・チョコが安い/両替はランカウイ空港が好レート
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島まるごと、世界ジオパーク。

ランカウイ最大の魅力は、手つかずの自然。99の島からなる群島は、2007年に東南アジアで初めてユネスコ世界ジオパークに認定されました。開発が制限されているため、ジャングルと静かな海、その奥のリゾートが共存する、独特の落ち着きがあります。

緑と海の、世界ジオパーク2007年認定

緑と海の、世界ジオパークLangkawi Geopark

ランカウイは2007年6月、東南アジアで初めて「ユネスコ世界ジオパーク」に認定された島(※世界“遺産”ではなく世界“ジオパーク”)。5億年以上前の古い地層が残る99島の群島で、開発が制限されているぶん、見渡す限りの森と海が広がります。写真はケーブルカー山頂からの眺め。この緑の中にも、リッツカールトンをはじめ高級リゾートがいくつも点在しています。

マングローブの川をゆく

マングローブの川をゆくMangrove

島の自然をいちばん体感できるのが、マングローブ林をめぐるリバークルーズ/カヤック。鬱蒼とした樹林と石灰岩の断崖にはさまれた川を、ボートやカヤックで分け入っていきます。誰もいない島の奥地へ漕ぎ進む静けさは格別。ランカウイで一番おすすめのアクティビティで、地質公園の見どころのひとつでもあります。

▶ マングローブ・カヤック体験記
島の名は「鷲」からクアタウン

島の名は「鷲」からEagle Square

ランカウイの「ラン」は、マレー語で鷲(ヘリワシ)を意味するという説があります。だから中心地クアタウンの海辺には、巨大な鷲の像が翼を広げて立っています。これが島のシンボルイーグルスクエア(Dataran Lang)。思っていたより大きく迫力があり、周囲は緑の都市公園。市街地ののんびりした空気を味わうのにぴったりです。

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一番“観光地らしい”、スカイカブ。

名所が少ないランカウイで、もっとも観光地らしいのがケーブルカー「スカイカブ」と、その先のスカイブリッジ。島と海をまるごと見渡す空中散歩は、晴れていれば圧巻です。山麓のオリエンタル・ビレッジが拠点になります。

スカイカブで空へ絶景

スカイカブで空へLangkawi SkyCab

オリエンタル・ビレッジからケーブルカー(スカイカブ)で一気に山頂へ。険しいジャングルの山肌をゴンドラが昇っていきます。料金は時期・パッケージで変わるので現地の料金表で確認を(コンボ券だと3Dアートなどの入場が付きます)。なお強風時は運休になることもあるので、晴れた午前の早い時間が狙い目です。

山頂からの大パノラマ

山頂からの大パノラマTop Station

山頂の展望デッキに着くと、ランカウイ島の北部海岸線とマリーナ、点々と浮かぶ小島群が一望できます。緑のジャングルとターコイズの海のコントラストが本当に美しく、ここまで上がる価値あり。展望台にはハート型のラブロックなどフォトスポットもあって、思わず写真を撮りたくなる眺めです。

スカイブリッジを渡る全長125m

スカイブリッジを渡るSky Bridge

山頂からさらに足を延ばすと、谷に架かるスカイブリッジ(Langkawi Sky Bridge)全長125m・湾曲した吊り橋で、2005年に完成。1本の支柱から弓なりに張り出した構造で、歩くほどに景色が移り変わります。真下はジャングルの渓谷。ケーブルカーとは別料金(または山頂駅から専用のスカイグライド)ですが、迫力が段違いなのでぜひセットで。

ふもとのオリエンタル・ビレッジ

ふもとのオリエンタル・ビレッジOriental Village

ケーブルカーの山麓駅まわりが、お土産屋さんやレストランが集まるオリエンタル・ビレッジ。池と赤い屋根の建物が並ぶテーマパーク風のエリアで、お土産の種類も豊富。パンタイチェナンまで戻るのが遠いなら、ここで買い物を済ませても。観光地価格でやや高めですが、待ち時間つぶしにはちょうどいい場所です。

▶ ケーブルカー&オリエンタル・ビレッジ
ケーブルカーのコンボ券には「3Dアート(Art in Paradise)」の入場が付くことも。だまし絵で遊べる定番スポットで、プロジェクションマッピングは意外と本気の面白さ。さらっと寄るのにちょうどいい寄り道です。

ケーブルカーのコンボ券には「3Dアート(Art in Paradise)」の入場が付くことも。だまし絵で遊べる定番スポットで、プロジェクションマッピングは意外と本気の面白さ。さらっと寄るのにちょうどいい寄り道です。

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夕日の、静かなビーチ。

ランカウイのビーチは、透明度より“静けさ”が魅力。客引きが禁止され、多くがホテルのプライベートビーチなので、のんびりした時間が過ごせます。ナショナルジオグラフィックの世界トップ10ビーチに選ばれたのも、その落ち着きゆえです。

一番にぎわうパンタイチェナン公共ビーチ

一番にぎわうパンタイチェナンPantai Cenang

島最大のパブリックビーチがパンタイチェナン。約2kmの白砂が続く、島で一番にぎやかな繁華街&ビーチです。…といっても“にぎやか”はこの程度。お土産屋さんや小さなモール、水上アクティビティが集まる、ランカウイ観光のメインエリアです。南隣のパンタイテンガーはさらに人が少なく、より静かに過ごせます。

▶ パンタイチェナン案内
サンセットが、主役

サンセットが、主役Sunset

パンタイチェナンが一番輝くのは夕方。水平線に沈む夕日を見に、多くの人がビーチに集まります。アンダマン海に落ちる太陽と、シルエットになった人々——これを眺めるためだけに来る価値があるほど、静かで美しい時間です。日中の暑い時間はホテルで過ごし、夕方からビーチへ、という回り方がおすすめ。

プライベートビーチで何もしない静けさ

プライベートビーチで何もしないPrivate Beach

ひとつ正直に言うと、ランカウイの海は透明度がそれほど高くないことも(潮やスコールで濁ります)。本気の透明度を求めるなら、近場のパヤ島などへ。とはいえ普通に十分きれいで、各リゾートには客引きのいないプライベートビーチが。チェアに寝そべって本を読む、ぼーっと海を眺める——その“何もしない贅沢”こそがランカウイの正解です。

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のんびり、街歩きと買い物。

観光のもうひとつの軸が、免税の島ならではの買い物と、ローカルの空気。観光客向けのパンタイチェナンと、島民の生活圏クアタウン。どちらものんびりしていて、片田舎の島の雰囲気を味わえます。

免税の島でお土産1987年〜

免税の島でお土産Duty Free

ランカウイは1987年にマレーシア初の免税島に指定されて以来の、れっきとした免税の島。酒・タバコ・チョコレート・香水などが本土より割安です。お土産の定番ならThe Zon Duty Freeあたりが手堅く、Boh Tea や Old Town Coffee、チョコレートがまとめて揃います。こだわりのない“ばらまき土産”を探すなら、まずこのあたりへ。

なまこ石鹸はガヤミナミで日本人経営

なまこ石鹸はガヤミナミでGaya Minami

ランカウイお土産の大定番がなまこ石鹸。代表格が、写真のガヤミナミ(Gaya Minami)ピサン(Pisan)で、どちらも日本人経営。置いてあるお土産が日本人好みで、なまこ石鹸はもちろん、クリームやクッキー、アジア小物まで揃います。ここは無理してでも訪れる価値あり。クアタウン近辺ならピサンが便利です。

クアタウンのナイトマーケット夜が本番

クアタウンのナイトマーケットNight Market

ランカウイのナイトマーケット(パサ・マラム)は日替わりで場所が変わり、毎日どこかで開催。なかでもクアタウンのものが最大規模でにぎわいます。地元の人がかなり多く、屋台メシも雑貨もリーズナブル。色とりどりのテントが並ぶ通りを歩くだけで楽しく、ローカルの空気を味わいたいならここ。クアタウンには大型モールのランカウイフェアもあります。

▶ クアタウンの歩き方
テラガハーバーで一服

テラガハーバーで一服Telaga Harbour

島の北西、ケーブルカーの近くにはテラガハーバーのマリーナ。ヨットが並ぶ落ち着いた一角で、こじゃれた観光客向けのレストランが集まります。マハティール元首相が手がけたことで知られるパン屋The Loafもこのエリア。人は多くありませんが、ハーバーらしい雰囲気でのんびりできます。ケーブルカーとセットで寄るのにちょうどいい場所です。

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主役は、安くて極上のリゾート。

ランカウイ旅の本当の主役は、リゾートホテルでのんびり過ごす時間。世界的なラグジュアリーホテルが集まり、しかも日本で同等の宿に泊まるよりずっと割安。スパ・マッサージも安く、おこもり滞在に最適です。

ウェスティン ランカウイ街にも近い

ウェスティン ランカウイThe Westin

現在おすすめしやすい一軒がウェスティン・ランカウイ・リゾート&スパ。クアタウンにほど近く観光に動きやすいのに、広大な敷地とプライベートビーチを完備。海沿いのリゾートらしい開放感で、お値段も比較的手頃です。森の奥深くというより“海沿いの優等生”といった印象。ランカウイのおいしいとこどりができる宿です。

重厚なロビーを探検

重厚なロビーを探検Lobby

ウェスティンのロビーは、木のぬくもりと吹き抜けの開放感が心地よい空間。ただ建物を歩いているだけでも気分が上がります。プールもビーチも広く、チェアにゆとりがあるので、その日の気分でだらだら過ごせます。ランカウイのリゾートは総じて“余白”がたっぷり。予定を詰め込まず、ホテルの時間そのものを楽しむのが流儀です。

ザ・ダタイ ランカウイ予算に余裕があれば

ザ・ダタイ ランカウイThe Datai

予算に余裕があるなら、島最奥のジャングルに溶け込むザ・ダタイ ランカウイが一押し。Amanリゾートを多数手がけた建築家ケリー・ヒルの設計で、Aman譲りの洗練された空間が広がります(“Aman系列”ではなく、現在はThe Leading Hotels of the World加盟の独立系)。客室はこの通り重厚そのもの。前面のダタイ・ベイは、ナショジオの世界トップ10ビーチに選ばれた名浜です。

(参考)ジ・アンダマン現在は休業中

(参考)ジ・アンダマンThe Andaman

ダタイのすぐ隣、自然に抱かれたジ・アンダマンも人気の一軒でしたが、火災の影響で現在は休業中(写真は休業前の訪問時のもの)。子連れで泊まった際、スタッフがとても温かく接してくれたのが印象的でした。再開状況は変わりうるので、検討する場合は最新の営業状況を必ず確認してください。どのリゾートでも猿が普通に歩いているのがランカウイらしいところ。客室のルームサービスは猿の襲撃にご注意を。

▶ ウェスティン・ランカウイ宿泊記 ― 繁華街も近い手の届くリゾート の宿泊レポート
◎ おすすめポイント
  • 世界的リゾートが“安く”泊まれる(日本で同等の宿の感覚なら割安)
  • 世界ジオパークの自然=マングローブカヤック・ジャングル・絶景ケーブルカー
  • 客引き禁止の静かなビーチと美しいサンセット(“何もしない贅沢”)
  • 免税の島でお土産・酒・チョコが割安/スパも安い
△ いまいち・注意点
  • 直行便がなく移動が長い(KL等で乗継・往復ほぼ丸1日)
  • 派手な観光名所は少なめ(人によっては退屈/おこもり前提)
  • 島内に電車・バスがない(移動はタクシー・レンタカー・Grab)
  • 海の透明度はそこそこ(本気の透明度は近隣の島へ)
💡 ランカウイ観光のコツ
編集部の評価(5段階)
リゾート滞在 ★★★★★ 主役。世界的ホテルが割安で“おこもり”最適
ビーチ・絶景 ★★★★ 静かな浜+夕日+ケーブルカーの眺望
自然・アクティビティ ★★★★ マングローブカヤックが白眉
観光スポット ★★★★★ 派手な名所は少なめ・おこもり前提
アクセス ★★★★★ 日本から直行便なし・移動が長い

“何もしない贅沢”を、楽しめる島

ランカウイの魅力を一言でいうなら、ありふれた言葉ですが「何もしない贅沢」です。派手な観光名所が少ないからこそ、みんな街にいてものんびり、ビーチにいてものんびり、ホテルに戻ってものんびり。プールサイドで本を読む人、特に何もせずぼーっと海を眺める人——目的がないことが、ここでは正しい過ごし方なのです。

世界ジオパークの森と海、客引きのいない静かなビーチ、世界的なリゾートが“安く”泊まれること。その全部が、この落ち着いた時間を支えています。スマホを置いて、子供と砂浜で遊んだり、夕日をただ眺めたり。実際に訪れて、本当に穏やかな時間を過ごせて満足しました。これだけのんびりできるリゾート地は、案外貴重なのではないでしょうか。

逆に、いろんな場所を観光で回り倒したい人には、正直あまり向きません。そういう人は同じマレーシアでもペナンやボルネオ島、いっそシンガポールのほうが満足度は高いはず。マレーシア・シンガポール界隈は街ごとに個性がはっきりしているので、自分が何をしたいかで選ぶのが、いちばん満足度の高い旅になります。落ち着いた時間を求める人にとって、ランカウイは最高の一島です。

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場所と、行き方。

最後に、ランカウイへのアクセスと基本情報を整理します。

アンダマン海の島。飛行機(経由便)か、本土からのフェリーで。
アンダマン海の島。飛行機(経由便)か、本土からのフェリーで。
経由便で、アンダマン海の島へ

経由便で、アンダマン海の島へAccess

ランカウイはマレーシア最北西、アンダマン海に浮かぶ島(ケダ州の沖・タイ国境近く)。日本からは直行便がなくクアラルンプールやシンガポールなどを経由して入ります(写真はランカウイ空港のエアアジア機)。日本〜KL/SGが7〜8時間+乗継1時間ほどで、乗り継ぎ込みで片道10〜12時間が目安。本土とはフェリーでも結ばれています。島内は電車・バスがないので、移動はタクシー・Grab・レンタカーが基本。時差は日本-1時間だけで、時差ボケが少ないのも楽なところです。

泊まる:ウェスティン・ランカウイ宿泊記 ― 繁華街も近い手の届くリゾートアロフト ランカウイ パンタイテンガー宿泊記 ― 繁華街に近い便利なモダンホテル

絶景も、静かなビーチも、極上のリゾートも。
“何もしない贅沢”を味わうなら、ランカウイです。

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