あの屋上へ。
マリーナベイサンズ完全ガイド ― 船形ホテルの展望デッキ・インフィニティプール・The Shoppes・Spectra
- タイプ
- 統合型リゾート(IR)(巨大ホテル+モール+展望台+ショー/半日〜1日)
- 場所・行き方
- マリーナ湾の東岸。ベイフロント駅(MRTダウンタウン線・サークル線/CE1・DT16)直結。中心部から数分
- 建築
- 2010年開業・設計モシェ・サフディ。3棟のタワーを船形のサンズ・スカイパークがつなぐ
- 展望デッキ
- サンズ・スカイパーク展望デッキ(一般公開・有料)。大人32ドル(約4,000円)前後(時間帯で変動・要公式確認)
- プール
- インフィニティプール(57階・約150m)は宿泊者専用。日帰りでは入れません
- ショー
- Spectra(光と水のショー)は無料・毎夜複数回(時刻は変動・要公式確認)

シンガポールといえば、まず思い浮かぶのが3本のタワーの上に船が乗ったあの建物——マリーナベイサンズ(MBS)です。2010年に開業した統合型リゾート(IR)で、設計はモシェ・サフディ。ホテル・カジノ・高級モール・劇場・展望台が一体になった巨大施設で、屋上の船形「サンズ・スカイパーク」はもはやこの国の顔。ただ、よく誤解されるのが「あの有名なプールには誰でも入れる」という点。実はインフィニティプールは宿泊者専用で、日帰りでは入れません。一方、展望デッキは有料で誰でも上れ、足元のモールや夜の無料ショーSpectraも含めて、宿泊しなくても十分に楽しめます。本記事ではその建築・展望・プール・ホテル・モール・ショー・カジノを、何ができて何ができないかまで含めて整理します。
なお、同じ敷地のアートサイエンス・ミュージアム(蓮の花の建物)と、湾を挟んだガーデンズ・バイ・ザ・ベイは、それぞれ専用記事をご覧ください。
まず、この建築に圧倒される。
マリーナベイサンズの主役は、なんといってもその建築。トランプを立てかけたような3本のタワーが、頂上で1枚の「船」を支えています。地上から見上げるだけで、もうシンガポールに来た実感がわいてきます。
2010年開業3本のタワーが支える「船」Three Towers
道路側から見上げると、ゆるくカーブした3棟の高層タワーが、頂上の船形デッキを一枚岩のように支えているのが分かります。各タワーは約57階・高さ約195m。設計はモシェ・サフディで、彼は『1本の塔では湾沿いに“壁”ができて耐えがたい』として、あえて3棟に割って海への“窓”をつくったと語っています。2010年の開業以来、この姿がシンガポールの代名詞になりました。
全長約340m船形の「サンズ・スカイパーク」Sands SkyPark
3棟の頂上をつなぐのが、全長約340mの船形デッキ「サンズ・スカイパーク」。北側のタワーから約66.5mも宙に張り出す大胆なカンチレバー(片持ち)構造で、世界最大級の屋上展望プラットフォームとされます。この上に後述の展望デッキとインフィニティプールが乗っています。船の“へさき”が空に突き出す独特のシルエットは、湾のどこから見ても一目でMBSと分かる目印。写真左奥には蓮の花型のアートサイエンス・ミュージアム、右にCBDの摩天楼が連なります。

施設は1棟に“全部入り”Integrated Resort
MBSは単なるホテルではなく、統合型リゾート(IR)。約2,500室規模のホテル、巨大な国際会議場、劇場、カジノ、そして高級モールThe Shoppesまでが1棟に一体化しています。真下から仰ぐと、空へぐっとせり出す船底——あの“へさき”の迫力に圧倒されるはず。とにかく広いので、まずは「自分は何をしに来たか」を決めてから動くのがコツです。
屋上へ。展望デッキは、誰でも。
あの船の上に上がってみたい——その願いを叶えてくれるのが、宿泊しなくても上れる「サンズ・スカイパーク展望デッキ」。有料ですが、地上約200mから湾とビル群を一望できる、MBS観光のハイライトのひとつです。
有料・誰でもサンズ・スカイパーク展望デッキObservation Deck
船形デッキの一部が、一般公開の展望デッキ(Observation Deck)。場所はLevel 56(一部57階へ)で、地上約200mから湾やCBDの高層ビル群、ガーデンズ・バイ・ザ・ベイを見渡せます(写真は地上から仰いだデッキ部分。左奥にスーパーツリー)。料金は大人 32ドル(約4,000円)前後(時間帯で変わり、夕方〜夜のピークは 36ドル(約4,500円)前後)。料金・営業時間は変わりやすいので、公式サイトの購入フローで最新を確認してください。

“見上げる”だけでも十分すごいLook Up
有料の展望デッキに上らなくても、真下から見上げるだけでこの迫力。タワーの根元に立つと、ガラス張りの壁面が空いっぱいに反り上がり、頂部の船底がぐっとせり出して見えます。お金をかけずに楽しむなら、湾を一周する遊歩道を歩いていろいろな角度からMBSを眺めるのもおすすめ。ヘリックスブリッジやマーライオン・パーク側からの“全身像”も見事です。
展望デッキ・スカイバー・宿泊、どれを選ぶ?
屋上のスカイパークには、目的別にいくつかの“入り方”があります。第一が展望デッキ(Observation Deck)で、宿泊しなくても有料で誰でも上れる純粋な展望台。第二が屋上のバー・レストランで、1ドリンク頼めば景色を楽しめます(プールには入れません)。そして第三が、後述の宿泊者専用エリアです。
つまり「あのインフィニティプールで泳ぐ」だけは宿泊が必須。景色を見るだけなら展望デッキやバーで足ります。何を一番したいかで、選び方が変わります。料金・営業時間・各エリアの公開状況は変動が大きいので、必ず公式で最新を確認してから計画を立ててください。
例のプールは、宿泊者だけの特権。
SNSで一番見るのが、空に溶けるような屋上のインフィニティプール。ただ、ここははっきりさせておきたいポイント。このプールは宿泊者専用で、日帰りや展望デッキの券では入れません。憧れの一枚は、泊まってこその特権です。
日帰り不可インフィニティプール(宿泊者専用)Infinity Pool
57階に広がる全長約150mのインフィニティプールは、世界最大級の屋上インフィニティプールとして有名。エッジの向こうに水面が消え、まるで空とビル群に泳ぎ出すような絶景です。ただし利用できるのはMBSの宿泊者だけ。展望デッキの券や日帰りでは入れませんし、外部の人が立ち入ることもできません。あの“泳ぎながらの夜景”を体験したいなら、ホテルに宿泊するのが唯一の方法です(写真は地上から見上げた夜のタワー)。

泊まらなくても、絶景は楽しめるFrom the Bay
「プールは無理でも景色は見たい」という方へ。展望デッキなら宿泊なしで上から眺められますし、湾の対岸(マーライオン・パークやエスプラネード側)からは、湾の水面に映るMBSの全身を一枚に収められます。3棟のタワーと船形デッキ、左に蓮の花型のアートサイエンス・ミュージアムまで——お金をかけずとも“絵になるMBS”はいくらでも撮れます。プールの“映え”だけがMBSではありません。
ホテルとしての、マリーナベイサンズ。
MBSはシンガポールを代表する大型ホテルでもあります。約2,500室を擁する3棟のタワーは、立地・眺望・話題性のどれをとっても唯一無二。宿泊すれば、あのプールと屋上が“自分のもの”になります。

立地と眺望は、ほぼ無敵The Hotel
ホテルとしての最大の武器は、なんといっても立地と眺望、そして話題性。マリーナ湾を望む部屋からはCBDの摩天楼や夜景が広がり、そして宿泊者だけが57階のインフィニティプールと屋上に出られます。決して安くはありませんが、『一生に一度はあのプールで』という体験価値は別格。記念日やハネムーンで“ここに泊まること自体が目的”という人が世界中から訪れます。客室の最新料金・空室は公式や予約サイトで確認を。

夜は、建物全体がライトアップBy Night
同じ建物でも、昼と夜でまるで別の顔を見せるのもMBSの魅力。日中はガラスと白い柱が青空に映えますが、日が落ちるとタワーから足元のThe Shoppesまで建物全体がライトアップされ、湾沿いの広場に大勢の人が繰り出します(写真はモール棟の夜景)。クリスマスなどのシーズンには塔身全体にプロジェクションが投影されることも。宿泊するなら、昼の眺めと夜のプール・夜景の両方を狙いたいところです。
The Shoppes ― 運河の流れる、高級モール。
泊まらない人でも一番気軽に楽しめるのが、足元に広がる巨大モール「The Shoppes at Marina Bay Sands」。ハイブランドが並ぶだけでなく、館内に運河が流れ、舟まで浮かぶという、ちょっと変わった空間です。
舟が浮かぶ館内を流れる運河とサンパン舟The Canal
The Shoppes最大の名物が、モールの中を流れる室内運河。波打つガラス天井のアーケードの真下を水路が貫き、小さな橋が架かり、なんとサンパン舟(手こぎの遊覧ボート)に乗ることもできます。所要はおおむね10〜15分、運航時間は概ね11:00〜21:00ほど(変動あり)。買い物をしない人でも、この“屋内に運河がある”非日常感だけで一見の価値があります。
名物幻想的な「Rain Oculus」Rain Oculus
運河沿いの吹き抜けにあるのが、円形の水のアート「Rain Oculus(レイン・オキュラス)」。直径約22mのアクリルの大鉢に、2層上の天窓から毎分2万L超の水が渦を巻きながら吸い込まれていく、迫力満点のインスタレーション。真下から見上げると、巨大な水の渦がアクリル越しに頭上を回転する様子は圧巻です。集めた雨水が館内の運河を満たすエコな仕掛けでもあり、子どもも大人も足を止める人気スポット。

光と映像に包まれる吹き抜けAtrium
運河と並ぶもう一つの見せ場が、中央の円形吹き抜け。天井から床面まで届く巨大なLEDのシリンダーが光をまとい、足元の円形スクリーンには色とりどりの映像が流れます。とくにクリスマスなどのシーズンは装飾と相まって幻想的で、買い物の手を止めて見入ってしまう人も多数。波打つガラス天井と多層フロアが重なる空間そのものが、The Shoppesの“建築の見どころ”です。

世界の一流ブランドがずらりLuxury Brands
The Shoppesは、シンガポール屈指のラグジュアリーモール。シャネル、ルイ・ヴィトンをはじめ世界の一流ブランドが軒を連ね、波打つ天井と吹き抜けの開放感も相まって、歩いているだけで華やか。ハイブランド目当てでなくても、シーズンの装飾(写真はクリスマス)や建築自体が見もので、雨でも涼しく過ごせる避暑スポットとしても優秀です。

意外と使える、館内グルメDining
高級店ばかりかと思いきや、気軽に食べられる店も揃っているのがThe Shoppes。香港発の点心店添好運(ティム・ホー・ワン)など、行列のできる人気店も入っていて、フードコート的に使えるエリアも。観光の合間に涼みながら腹ごしらえ、という使い方ができます。値段はモール価格でやや高めですが、選択肢が幅広いので困りません。
夜は、無料のショー「Spectra」。
MBSの夜の主役が、湾に面した広場で毎晩くり広げられる光と水のショー「Spectra」。しかもこれが無料。噴水・レーザー・霧・音楽が一体になった本格的なスペクタクルを、お金をかけずに楽しめます。
無料・毎夜Spectra(光と水のショー)Spectra
The Shoppes前のイベント・プラザと湾を舞台に、噴水・カラフルな照明・レーザー・霧がオーケストラ音楽に合わせて躍る、約15分のショー「Spectra」。背後にはCBDの夜景が広がり、水のスクリーンに映像が投影される場面も。毎夜複数回上演され(概ね日〜木は20:00・21:00、金土はさらに22:00も)、料金は無料。時刻は変わりやすいので公式で確認を。特等席はThe Shoppes前のイベント・プラザです。
カジノは、ルールを知ってから。
統合型リゾートであるMBSには、巨大なカジノもあります。観光客は気軽に入れますが、年齢やドレスコード、そして地元の人だけにかかる入場料など、知っておくべきルールがいくつかあります。
21歳以上入場ルールと、地元民の入場料The Casino
MBSのカジノは、入場に21歳以上であることと、スマートカジュアルのドレスコード(ビーチサンダル・短パン・ノースリーブ等は不可)が必要。観光客はパスポート提示で入場無料ですが、地元(シンガポール国民・永住者)には入場levy(カジノ税)が課され、1日あたり 150ドル(約18,800円)前後(年間券は 3,000ドル(約375,000円)前後)かかります。射幸性への歯止めとして地元民のハードルを上げる仕組みで、これもシンガポールらしい一面。金額・ルールは変動するため最新は公式・当局サイトで確認を。
- シンガポールの象徴。建築を見るだけで満足度が高い
- 展望デッキは宿泊なしでも有料で上れる(地上約200m)
- 夜のショーSpectraは無料・毎夜複数回で気軽
- ベイフロント駅直結、The Shoppesは雨でも涼しく快適
- 名物のインフィニティプールは宿泊者専用(日帰り不可)
- 展望デッキ・カジノ・舟ライドは料金や時刻が変わりやすい
- とにかく広いので目的を絞らないと歩き疲れる
- モール価格はやや高め/カジノは地元民に入場levy
- アクセスはベイフロント駅(CE1・DT16)直結。The Shoppes・カジノ・展望デッキ入口へすぐ
- 泳ぎたいなら宿泊が必須。インフィニティプールは宿泊者専用(展望デッキ券では入れない)
- 展望デッキは大人32ドル(約4,000円)前後(夕方〜夜のピークは高め)。料金・時間は公式の購入フローで要確認
- Spectraは無料。The Shoppes前のイベント・プラザが特等席(時刻は変動・公式で確認)
- カジノは21歳以上・スマートカジュアル。観光客はパスポート提示で無料
- 美術館とガーデンズは別物=それぞれ専用記事へ(敷地はすぐ隣/湾の対岸)
- とにかく広い。展望/プール/モール/ショーのどれが主目的かを決めて動くと楽
“泊まらなくても、泊まっても”楽しめる場所
マリーナベイサンズは、シンガポール観光で誰もが一度は目にする場所です。だからこそ、行く前に知っておきたいのが「何が無料で、何が有料で、何が宿泊者だけのものか」という線引き。SNSであふれるあのプールの一枚は宿泊者だけの特権で、日帰りや展望デッキの券では入れません。ここを誤解したまま行くと、がっかりしてしまいます。
一方で、泊まらなくても楽しめる要素はたっぷりあります。建築を見上げるだけでも圧巻ですし、展望デッキに上れば地上約200mの絶景、足元のThe Shoppesでは運河とRain Oculus、そして夜は無料のSpectra。湾の対岸からライトアップを眺めるのもタダです。お金をかけずに“MBS体験”の大半を味わえるのは、意外と知られていません。
そしてもし予算が許すなら、一度は泊まってあのプールへ。空に溶けるエッジから夜景を見渡す時間は、確かに値段以上の価値があります。泊まる・泊まらないのどちらでも主役になれるのが、マリーナベイサンズの懐の深さ。美術館やガーデンズと組み合わせれば、このエリアだけで丸一日遊べます。皆さんの旅のお役に立てれば幸いです。
船の形をした、シンガポールの象徴。
泊まっても、泊まらなくても、主役になれる場所です♪
マリーナベイを、もっと。





