でも、なぜ?
マレーシアの物価はどのくらい安い? ― 食事・交通・宿泊・観光を日本+世界13ヶ国と実例比較
- 物価水準
- 日本の約1/3〜1/2。主要14ヶ国でも最安級(ベトナム・インドネシア並み)
- 外食
- ほぼ半値〜それ以下。ローカル食堂はナシゴレン約220円・ロティチャナイ約50円と激安
- 交通
- 日本の1/5以下(実質85%OFF)。特にタクシーが超激安
- 宿泊
- 5つ星が世界最安級。KLは高級ホテルでも1泊1万円台から
- 酒
- 酒税が非常に高く割高。ただし免税のランカウイ島は激安(缶ビール約100円)
- レート
- 1リンギット=40円で計算(例:10リンギット(約400円))。両替所により差が大きい
マレーシアの物価は安いと言われ、一般には日本の半分〜3分の1程度とされます。実際に旅すると「全体的に安い!」と感じる場面が多い一方、ものによってはそうでもない。ここでは全体の傾向と、ローカル食堂から5つ星ホテルまでの具体的な値段を、円換算つきで見ていきます。
実際に通って感じるのは、その安さの徹底ぶり。スーパーやショッピングモールで「え、こんなに安いの?」と驚かされる場面が、しばしばあります。
なお、いくら物価が安くても、肝心のリンギットの両替をレートの悪い場所でやると意味がなくなります。両替のコツは別記事も参考にしてください。
まず、物価の全体像。
安い安い言われるマレーシア、実際どのくらい? 当サイトが旅行者向けに食費・交通費・宿泊費で独自集計した結果、主要14ヶ国の中で“ぶっちぎりの最安値”でした。

体感としてもこの通り。「え、こんなに安いの?」と驚くことがしばしばです。ただし不動産を含む統計(在住者目線)だと、もう少し順位は上がります。下のNUMBEO指数を見てみましょう。
NUMBEO(在住者目線)で見ると
| NUMBEO 物価指数(NY=100・東南アジア) | 順位 | 指数 |
|---|---|---|
| シンガポール | 10位 | 85.59 |
| タイ | 65位 | 49.32 |
| フィリピン | 85位 | 40.65 |
| マレーシア | 90位 | 39.51 |
| ベトナム | 95位 | 38.05 |
| インドネシア | 97位 | 37.44 |
(参考:日本87.77・韓国81.20・香港79.94)。不動産価格を含むため居住者の感覚に近いデータで、旅行者の体感とはややずれます。NUMBEOより。
さらにエクスペディアのアジア観光コスパランキングでも、クアラルンプールは堂々の1位。5つ星ホテルが安すぎることが大きいですが、タクシー3位・電車4位・食事5位と全体的に高順位。滞在費で一番高くつくホテル代が安いのは、大きなメリットです。
両替が肝心レートで体感が変わる100PLUSで考える
物価は両替レートで体感が変わります。人気のソフトドリンク100PLUS(ペットボトル)は3.5リンギットほど。レートが良い1RM=25円なら約88円、悪い1RM=35円なら約123円と、円換算で1.4倍も差が出ます。近年は円安で1RM=40円前後。日本の自販機ジュース(160円ほど)と比べれば、それでも十分安い水準です。
- 主要14ヶ国中で物価は最安値(飲食費・交通費・宿泊費/当サイト独自集計)。
- 不動産含む総合では世界138ヶ国中90位(NUMBEO)。
- アジア観光コスパランキング1位(エクスペディア)。
食事①:高級中華でも、半額以下。
飲食費は日本のほぼ半値。ベトナム・台湾・フィリピン・インドネシアと同程度です。物価比較の定番、鼎泰豊で見てみましょう。
比較しやすい鼎泰豊(ディンタイフォン)その国の“ちょっと良い店”の基準
鼎泰豊の値段は、その国の「ちょっと良いレストラン」の水準。これを見れば物価が分かります。小籠包・海老チャーハン・青菜炒めの3品合計で東・東南アジアを比べると、マレーシアの安さは一目瞭然。日本の半値以下で、台湾よりさらに安い。小籠包は10個入りでも約220円と、気軽に楽しめます。バーミヤンや王将のような値段で、味はれっきとした高級店です。
| 鼎泰豊・3品合計(小籠包+海老炒飯+青菜炒め) | 価格 |
|---|---|
| 韓国 | 3,563円 |
| 日本 | 3,300円 |
| シンガポール | 2,952円 |
| 台湾 | 2,275円 |
| マレーシア | 41リンギット(約1,600円) |
個別だと小籠包8個12.5リンギット(約500円)、蒸し餃子6個11.5リンギット(約460円)、焼売6個15.5リンギット(約620円)、豚肉饅2個6.8リンギット(約270円)、ほうれん草炒め13.5リンギット(約540円)、エビチャーハン15リンギット(約600円)、中国茶2.5リンギット(約100円)。日本の鼎泰豊は小籠包780円・蟹小籠包1,380円・えびチャーハン980円・ほうれん草780円・中国茶は無料。比べると概ね1/3〜1/2で、高級ランチ1万円が4,000円になる感覚です。
高級ホテルランチも安い(リッツ・カールトン Le Yen)
日本人に人気、リッツ・カールトンの中華レストランLe Yenでも、チャーハン32リンギット(約1,300円)、えび餃子12リンギット(約480円)、シューマイ13リンギット(約520円)、中国茶4リンギット(約160円)、マンゴープリン13リンギット(約520円)。中国系が多い国だけあって、中華料理のレベルが総じて高いのも魅力です。
食事②:ローカルは、衝撃の安さ。
ローカルのコーヒー店・ファーストフード・食堂になると、安さの本領発揮。ロティチャナイ約50円の世界です。
モーニングが充実Old Town White Coffeeマレーシアのローカルチェーン
マレーシアを代表するローカルコーヒーチェーン。コーヒー4.5リンギット(約180円)(アイス/ホットで微差)。食事も豊富で、ドリンク付きモーニングがナシレマセット4リンギット(約160円)、カヤトーストセット7リンギット(約280円)、麺セット11リンギット(約440円)。安くて朝から満足できます。
世界共通スターバックスクアラルンプール
スタバは世界どこでも値段が変わらない……はずですが、アイスラテ10.5リンギット(約420円)。レートによっては日本より気持ち安いくらい。ローカル店との価格差で、かえって“グローバルチェーンの高さ”が分かります。


Marrybrownの価格は、チキンバーガーセット9.2リンギット(約370円)、タワーバーガーセット15.9リンギット(約640円)、ナシレマセット11.8リンギット(約470円)、キッズミール10.3リンギット(約410円)。日本のマクドナルド(セット約500円)と比べ、やはり半値程度です。
激安ローカル食堂は、破格。カレー・ナシゴレン中心
かなりローカル向けのお店。ナシゴレン5.6リンギット(約220円)、ナシアヤム6リンギット(約240円)、ミーゴレン6リンギット(約240円)、そしてロティチャナイ1.2リンギット(約50円)(クロワッサン1個的な感覚)。飲み物もアイスコーヒー1.2リンギット(約50円)、コーラ2リンギット(約80円)と破格。ナシゴレンと牛丼を見比べると釣り合うくらいの水準です。
スーパーとコンビニ。
現地生産品はとにかく安く、輸入品は日本並み。そして酒だけは、酒税で特別に高い。
水が激安スーパー(Mercato/パビリオン)KL中心部の高級スーパー
記載はKL中心部の高級スーパー(庶民派ならもう少し安い)。現地生産品は激安、輸入品は日本並み——そのコントラストが面白いところ。具体的な棚の値段は下の表のとおりです。
| スーパーの実売価格 | 価格 |
|---|---|
| 水(ペットボトル・現地) | 0.75リンギット(約30円) |
| 水(エビアン・輸入) | 4.55リンギット(約180円) |
| コーラ(缶/ペットボトル) | 1.8リンギット(約70円)/2.45リンギット(約100円) |
| オーストラリア牛 100g | 4.69リンギット(約190円) |
| たまねぎ/中国産ポテト(各1kg) | 3.99リンギット(約160円)/3.98リンギット(約160円) |
| キャベツ1/4・フランスりんご1個 | 2.49リンギット(約100円)/1.19リンギット(約50円) |
| ドールバナナ(輸入) | 5.99リンギット(約240円) |
| 現地の袋めん/カップ麺 | 4.5リンギット(約180円)/1.5リンギット(約60円) |
現地生産の水・野菜は激安、輸入のエビアンやバナナは日本並み。マレーシア独自の麺も多く、インスタント麺売り場はのぞくと面白い。庶民派スーパーやイオンならさらに安くなります。
| ビール(酒税の影響) | 価格 |
|---|---|
| ANCHOR STRONG(KL・酒税あり) | 8リンギット(約320円) |
| ASAHI SUPER DRY(KL・酒税あり) | 10リンギット(約400円) |
| ASAHI SUPER DRY(ランカウイ・免税) | 2.5リンギット(約100円) |
マレーシアは世界2番目に酒税が高いとも。アサヒは現地生産でもKLでは缶10リンギット(約400円)と割高。免税のランカウイ島なら約1/4になります。
売り場が面白いお菓子・インスタント麺現地生産は安い
ポッキー2.85リンギット(約110円)、プリッツ2リンギット(約80円)、プリングルス大5.2リンギット(約210円)、キットカット9.9リンギット(約400円)、ハーゲンダッツ10リンギット(約400円)。現地生産品は安く、輸入扱いは高め。マレーシア独自の麺も多く、現地の袋めん4.5リンギット(約180円)・カップ麺1.5リンギット(約60円)。豆知識:昔はPockyが「Pork」に音が近いとして「Rocky」名で売られていました(数年前に通常のPockyへ)。
交通費は、85%OFF。
マレーシアの交通費は日本の1/5以下。意味が分からないお値段ですが、本当です。特にタクシーが超激安。
超激安タクシーは、桁が違うクアラルンプール駅
最も安さを実感するのがタクシー。KL国際空港→市街地(約60km)でバジェット75リンギット(約3,000円)/プレミア102リンギット(約4,100円)。日本では成田→柴又(約60km)で約23,400円なので、桁違いです。注意点はタクシーのランク制(普通/高級でお値段が違う)で、高級ホテル発はさらに高いことも。市街地は安全面から高めのタクシーを選ぶ手もあります。コタキナバルはやや高め(空港→市街8kmで30リンギット(約1,200円))。
| 公共交通(空港〜中心/長距離) | 価格 | 日本の参考 |
|---|---|---|
| KLIAエクスプレス(空港→KLセントラル) | 55リンギット(約2,200円) | 成田エクスプレス 3,020円 |
| 空港バス | 10リンギット(約400円) | 成田→東京駅バス 1,000円 |
| MRT(my rapid・約50km) | 6.4リンギット(約260円) | 東京メトロ最長 310円 |
宿泊は、5つ星が世界最安級。
マレーシア最大の魅力がこれ。クアラルンプールは“世界で一番安く5つ星に泊まれる都市”という調査結果もあります。
エクスペディアの調査では、5つ星1泊がクアラルンプール10,469円。バンコク13,817円、ホーチミン18,565円、ソウル29,146円、香港34,686円、そして東京43,862円。ベトナムより安いのが意外なところ。これは1室料金なので、2名なら一人あたり5,000円台。東横インやアパの値段で、ヒルトンやシャングリ・ラに泊まれてしまいます。
同ランク比較クアラルンプールの高級ホテルW クアラルンプール フロント
同一ブランドで東京と比べると、差は歴然。下は1RM=30円仮定・調査時点の1泊目安です(実際は時期で変動)。
| 高級ホテル(クアラルンプール) | KL | 東京(参考) |
|---|---|---|
| マンダリン オリエンタル | 18,000円 | 46,000円 |
| グランド ハイアット | 18,000円 | 49,000円 |
| シャングリ・ラ | 12,000円 | 44,000円 |
| ザ・リッツ・カールトン | 18,000円 | 46,000円 |
| マリオット | 14,000円 | 22,000円 |
| ウェスティン | 15,000円 | 26,000円 |
| ヒルトン | 14,000円 | 26,000円 |
東横インやアパの値段で、世界的ブランドの5つ星に泊まれてしまう水準です。
リゾートも安いランカウイ・コタキナバルのリゾートウェスティン ランカウイ プール
最高級リゾートでも、世界的に見れば破格。下はランカウイ島とコタキナバルの代表的リゾートの1泊目安です。
| リゾート | 1泊の目安 |
|---|---|
| フォーシーズンズ(ランカウイ) | 66,000円 |
| ザ・ダタイ(ランカウイ) | 44,000円 |
| ウェスティン(ランカウイ) | 20,000円 |
| シャングリ・ラ(コタキナバル) | 14,000円 |
| ステラハーバー(コタキナバル) | 16,000円 |
ザ・ダタイ44,000円は、北海道・ルスツのウェスティン(47,000円)と並ぶ水準。最高級リゾートがこの値段です。
観光施設と、都市ごとの違い。
観光施設はやや高め(外国人料金あり)。そして同じマレーシアでも、都市や島で値段が変わります。
外国人料金ありペトロナス・ツインタワーKLCC公園
観光の目玉ツインタワーは、外国人大人がスカイブリッジ+展望台込みで98リンギット(マレーシア国民は30リンギット(約1,200円))。東京スカイツリー(大人3,600円)と比べると、外国人料金ではあまり差がありません。料金は改定されるので最新は公式サイトでご確認を。なおマレーシア人と外国人で料金が違う施設は多く(KLタワーSkyDeckも国民75RM/外国人105RM)、要注意です。
酒は1/4免税の島・ランカウイは酒が激安パンタイチェナン
島全体が免税のランカウイ島では、税のかかる品が激安に。最たるは酒で、KLで缶10リンギット(約400円)するアサヒが、ランカウイでは2.5リンギット(約100円)(約1/4)。ペットボトルのジュースより安いほど。お酒を楽しむならランカウイが断然おすすめです(飲みすぎ注意)。
都市ごとの、ちょっとした違い
クアラルンプール:ブキッビンタンの高級モール内スーパーは割高です(成城石井やクイーンズ伊勢丹のようなもの)。安く買いたいならイオンへ——KLにはイオンが多く、行ければ安い。中心部で済ませたいなら、スンガイワンプラザのスーパーが比較的地元価格です。
ボルネオ島(コタキナバル):半島側とほぼ同じですが、感覚的にわずかに高め。一番分かりやすいのはタクシーで、KL市内なら同距離15リンギット(約600円)ほどの区間が、コタキナバルでは30リンギット(約1,200円)と倍ほど。ボルネオの2州は自治権が強く、国内移動でもパスポートが必要なほどで、タクシー料金などの制度も本土と少し違います。
マレーシア人と外国人で料金が違う施設が多いのも要注意。KLタワーのSkyDeckは国民75リンギット(約3,000円)/外国人105リンギット(約4,200円)、ツインタワーも国民30リンギット(約1,200円)/外国人98RM。複数料金が並んでいたら、たいてい高いほうが外国人料金です。
まとめ:ラグジュアリーを、安く。
マレーシアの物価は大体3分の1。細かく見れば他の東南アジアが安い品もありますが、旅費で最も重いホテル代が圧倒的に安く、それ以外も同等か安い。つまり高級なものを世界一安く楽しめる国です。高級店もどれも世界トップクラスの安さ、と言っても過言ではないほど。高級なものを、安く——その意味で本当にコスパの高いマレーシアを、ぜひ楽しんでみてください。
旅の全体像は マレーシアの基本ガイド、首都は クアラルンプール観光ガイド もどうぞ。
