水槽でめぐる。
リバーワンダーズに行ってみた ― 旧リバーサファリ、世界の川とパンダ・マナティーの動物園
- タイプ
- 川がテーマの動物園+水族館(マンダイ・半日/旧リバーサファリ)
- 特徴
- 世界8つの川と魚・爬虫類の大型水槽が中心。ジャイアントパンダとアマゾンのマナティーが二枚看板
- 場所・行き方
- 市街から約25km(マンダイ・ワイルドライフ・リザーブ)。最寄りMRTなし/カティブ駅(NS14)からマンダイ・カティブ・シャトル、またはGrab(中心部から約30分)
- 料金感
- 非居住者 大人45ドル(約5,600円)・子供(3〜12歳)33ドル(約4,100円)(公式・GST込/変動あり・要公式確認)
- 営業時間
- おおむね 10:00〜19:00前後(時期で変動・最新は公式の購入フローで要確認)
- 改称
- 2021年に「リバーサファリ」から改称(2013年ソフト開業・2014年正式開業)

シンガポール動物園と同じマンダイ・ワイルドライフ・リザーブにある、もう一つのパークがリバーワンダーズ。2021年まで「リバーサファリ」と呼ばれていた施設で、テーマはずばり「川」。アマゾン・コンゴ・ナイル・メコン・長江など世界の名だたる川を、大型水槽と再現環境でめぐっていきます。動物より魚や爬虫類が主役の、いわば水族館+αのパーク。それでいてジャイアントパンダとアマゾンのマナティーという強烈な二枚看板があり、動物園とはまた違う楽しさがありました。新しくて1本道で回りやすいのも嬉しいところです。
まず、「川」の世界へ。
入口からして、ジャングルの川辺に分け入っていくような演出。ここからは世界各地の川を、ひとつひとつ水槽で渡り歩いていきます。動物園とは空気がまるで違う、しっとりした始まりです。
旧名の名残入口の「River Safari」展示Entrance
入口で出迎えてくれるのが、木製のボートとワニのオブジェ。背後には旧名の「River Safari」ロゴ看板が掲げられています。2021年にリバーワンダーズへ改称されましたが、訪問時はまだこの看板。これから川を旅するぞ、という気分を盛り上げてくれる導入です。

日除けの参道を進むWalkway
チケットを通ると、白い日除けテントと熱帯の緑に挟まれた小径が続きます。屋外と屋内をいったりきたりしながら進む造りで、シンガポールの強い日差しと スコールの両方をうまくしのげるのがよくできています。
コンセプトテーマは「世界の偉大な川」Greatest Rivers
序盤の案内板にいきなり「THE WORLD'S GREATEST RIVERS」の文字。アフリカ大陸の地図と民族彫刻が添えられ、ここがコンゴ川ゾーンだと分かります。リバーワンダーズはアマゾン・コンゴ・ナイル・ガンジス・メコン・長江など世界8つの川をテーマに区切られていて、歩くだけで川めぐりの旅になる仕掛けです。
大型水槽を、渡り歩く。
リバーワンダーズの主役は、各ゾーンに据えられた大型の淡水水槽。檻の動物園というより、川そのものを切り取って持ってきたような展示が続きます。新しい施設だけあって見せ方がこなれていて、見ごたえ十分でした。

ずらりと並ぶ展示水槽River Galleries
屋根付きの通路に沿って、横長のガラス水槽がずらりと並ぶゾーン。手前には英語の解説板が立ち、川ごとに棲む魚が紹介されています。1本道に沿って進むので迷わず順番に見られるのが、動物園と違って楽なところです。
美しい水草あふれる淡水アクアリウムAquascape
ゾーンによっては、水草と岩を組んだ緑あふれる水槽も。横から眺めると、まるで川底の森を覗き込んでいるよう。日本の水族館でいう「アクアリウム」的な、じっくり見たくなる美しい展示です。

探して見つける小さな主役Hidden Creatures
派手な魚ばかりではなく、流木の下にそっと潜む小さな生き物もいます。ガラスに張り付いてやっと見つけられる感じで、子どもと一緒だと宝探しのよう。じっくり探す楽しさがあるのも、川の生き物展示ならではです。

マングローブを再現した水槽Mangrove
水中にマングローブの根を再現した水槽もありました。からみ合う根の間を細長い魚がすうっと泳いでいて、河口の汽水域の雰囲気そのもの。ただ魚を並べるのではなく、その川らしい環境ごと見せるのがこのパークの上手いところです。
そして、アマゾンの水没林。
数ある水槽の中でも、誰もが足を止めるのがアマゾンの「水没林(Amazon Flooded Forest)」。パーク最大の巨大水槽で、雨季に水没した森の中を、あの巨体がゆったり泳ぎます。ここがリバーワンダーズのクライマックスです。
ハイライト頭上に水面が広がる巨大水槽Amazon Flooded Forest
薄暗い空間に進むと、目の前にパーク最大の巨大水槽が広がります。水没した木の幹が林立し、頭上には水面が張り出す独特の構造。来園者が皆シルエットになって見入っていて、写真ではとても伝わらない没入感です。アマゾンが雨季に森ごと水に沈む——その光景を体感できる必見ゾーンです。
名物マナティーが、ゆったり泳ぐManatees
この巨大水槽の主役がマナティー。水没した木立の間を、丸いフォルムでぷかぷか泳ぐ姿に癒やされます。リバーワンダーズはマナティーの繁殖に成功していることでも知られ、ここのマナティー群は世界的にも見ごたえあり。パンダと並ぶこのパークの看板動物です。
フォトスポット水槽を貫くアーチ型トンネルTunnel
水没林の手前には、水槽を貫くアーチ型のトンネル通路も。岩を組んだトンネルの向こうに、水越しの緑がかった光がゆらめきます。歩いて抜けられる演出が楽しく、ここも人気のフォトスポット。動物園にはない、水族館らしい仕掛けです。
パンダと、川辺のひとやすみ。
リバーワンダーズのもう一方の看板が、ジャイアントパンダ。専用の空調室で暮らすパンダは大人気で、園内には食事処までパンダ一色。川の水槽に疲れたら、このパンダエリアでひと息つくのがおすすめです。
ひとやすみパンダ尽くしの園内レストランPanda Cafe
パークの中ほどにあるのが、パンダをモチーフにした園内レストラン。赤い提灯がずらりと下がり、壁にはパンダの写真、席は竹を模した仕切りで囲まれ、中国・四川の雰囲気たっぷり。ジャイアントパンダ・フォレストのすぐそばにあり、パンダを見たあとの休憩にぴったりです。
パンダのカイカイ&ジャアジャア
リバーワンダーズのジャイアントパンダ・フォレストで暮らすのが、オスのカイカイとメスのジャアジャア。2012年に中国からやってきた一対で、空調の効いた専用施設で、本物の竹をむしゃむしゃ食べる姿が見られます。パンダを国外で見られる場所は限られるので、これはシンガポールならではの体験です。
なお、2021年には待望の赤ちゃんル・ルが誕生して話題になりましたが、繁殖プログラムの取り決めで2024年に中国(成都)へ旅立ちました。今は親パンダ2頭に会えます。最新の展示状況は公式サイトで確認してから行くと確実です。
貯水池と、ボートのこと。
水槽展示の外には、施設が面したアッパー・セレター貯水池の雄大な眺めが広がります。かつてはこの水面を遊覧する「リザーバー・クルーズ」もありましたが、ここは少し注意が必要。最新事情とあわせてお伝えします。

貯水池沿いの桟橋通路Boardwalk
屋外に出ると、貯水池に張り出した桟橋通路を歩けます。訪問時は『Observe the squirrel monkeys(リスザルを観察しよう)』の横断幕が掲げられていました。このリスザルのエリアは2023年に「アマゾニアン・エンカウンターズ」へリニューアル。屋外を歩きながら生き物に出会える、気持ちのいいゾーンです。
現在は終了リザーバー・クルーズ(※現在は終了)Reservoir Cruise
桟橋の先には、アッパー・セレター貯水池をめぐる遊覧ボート「リザーバー・クルーズ」の乗り場がありました。所要15分、雄大な水辺の景色を楽しむ穏やかなクルーズ。ただしこのクルーズは現在は運営を終了しています。訪問時の写真として残しますが、これから行く方は運航していない点にご注意ください。


左:桟橋に着いた遊覧ボート『RC 61』(当時)。右:曇り空の下に広がる貯水池の水面。クルーズは現在終了していますが、貯水池の眺め自体は園内から楽しめます。

対岸に園の建物を望むReservoir View
貯水池の対岸には、園の建物が緑に埋もれるように建っています。都心からわずか25kmとは思えない自然の濃さで、水と森だけの静かな眺めが広がります。クルーズがなくなった今も、この景色は遊歩道から眺められます。
- 世界8つの川がテーマの大型水槽が新しくて見やすい
- 1本道で迷わない(動物園より歩きやすい)
- マナティーの巨大水槽とアマゾンの水没林が圧巻
- 国外では貴重なジャイアントパンダに会える
- 最寄りMRTがなくアクセスがやや不便
- 魚・爬虫類が中心で哺乳類は少なめ(動物園とは別物)
- リザーバー・クルーズは終了(過去情報に注意)
- 屋根付きとはいえ広く、がっつり見ると数時間
俯瞰でみる、リバーワンダーズ。
最後に、施設全体を少し引いて。1本道とはいえ、貯水池に面した園内はかなりの広さ。最初に全体感をつかんでおくと、ペース配分がしやすくなります。

樹冠ごしに見える歩道橋Canopy
高い場所から見下ろすと、緑の樹冠の合間に貯水池を渡る木製の歩道橋がのぞきます。施設の半分は屋内の水槽、もう半分はこうした屋外の水辺。この二部構成を頭に入れておくと、暑さに合わせて屋内外を上手に行き来できます。
雨に濡れた入口広場。シンガポールはスコールがつきものですが、屋根付きの展示が多いので雨でも回りやすいのがこのパークの強み。
- 移動はGrabかタクシーが一番ラク。中心部から約30分(複数人ならお得)
- 電車ならカティブ駅(NS14)まで行き、そこからマンダイ・カティブ・シャトルに乗り継ぎ(直通MRTはなし)
- 動物園・ナイトサファリ・バードパラダイスと隣接。複数パーク券もあるが、全部は回りきれないので欲張らない
- 営業時間・最新料金は公式の購入フローで要確認(非居住者 大人45ドル・子供33ドル前後/GST込)
- アマゾン・リバー・クエストのボートライドは別料金(6ドル前後)・身長106cm以上
- 屋根付きが多く雨でも回りやすい。それでも飲み物は持参を
行ってみての感想
正直に言うと、隣のシンガポール動物園とどう違うのか、行く前はピンときていませんでした。ところが入ってみると、これがはっきり別物。動物園が「広い土地に動物」なら、こちらは「川という切り口で水槽をめぐる」パーク。テーマがアマゾン・コンゴ・ナイル…と移っていくのが面白く、水族館好きにはたまりません。なにより1本道で迷わず、屋根付きが多くて雨でも回りやすいのが、暑いシンガポールでは地味にありがたいポイントでした。
そしてやはり、アマゾンの水没林とマナティー。頭上に水面が張り出す巨大水槽の中を、あの大きな体がゆっくり泳ぐ姿には素直に感動しました。国外では珍しいジャイアントパンダにも会えて、看板が二つあるのは贅沢です。一方で、リザーバー・クルーズが終了するなど移り変わりも早いので、ボートやパンダの最新状況は公式で確認してから行くのが安心。動物園と一日で両方は欲張らず、水族館気分を味わいたい日はこちら、というのが正直なおすすめです。皆さんの旅のお役に立てれば幸いです。
世界の川も、パンダも、マナティーも。
動物園とは違う水辺の一日を♪
このあたりで、あわせて。

