ただ、何もしない贅沢。
ダタイ ランカウイ宿泊ガイド ― マレーシア極上のジャングルリゾート
- タイプ
- ジャングル奥地の超高級ビーチリゾート(LHW加盟・2018/11再オープン)
- 立地
- ランカウイ島北西部、熱帯ジャングルの奥深く。専用プライベートビーチあり。繁華街クアタウンとは島の反対側
- 客室
- 本館(眺望・アンダマン海一望)とヴィラ(森の中)の2系統。デラックス62.5m²〜最上級スイートまで
- 価格帯
- 日本の高級ホテルと同程度。通常室7万円前後〜、一棟ヴィラ9万円前後〜(@40換算の参考値。レート・時期で大きく変動)
- プール・施設
- 大人専用メインプール(年齢制限・夜間ライトアップ)/専用ビーチ/高級スパ(貸切ヴィラ施術)
- 朝食・レストラン
- 朝食はザ・ダイニングルーム。欧州・マレー・タイ・インド料理の計5会場+特別ダイニング
- アクセス
- ランカウイ国際空港からタクシー約40分・60RM程度。日本からの直行便はなくKL/シンガポール経由(ペナンから船で渡る手もあり)

マレーシア随一のリゾートアイランド、ランカウイ島。その熱帯ジャングルの奥深くに佇むのが、古くからの超人気ホテル「ダタイ ランカウイ」です。2018年11月にリニューアル再オープン。森と海に囲まれた秘境で、日常の喧騒を離れてただ落ち着いた時間を過ごす——そのためだけに作られた場所です。活発に動き回りたい人やにぎやかさを求める人には向きませんが、南国のゆったりした時間を求める人には最適。4泊5日訪れて、やはり期待を裏切らない素晴らしいホテルでした。
ジャングルの奥に、たどり着く。
ランカウイ島の繁華街クアタウンとは真逆、島の北西の森の奥。空港からタクシーで約40分。猿や鷹、突然のスコールに、地球の大自然の力を改めて感じる立地です。
森を抜けた先に現れる「THE DATAI」の石積みサイン。ここから先が、もう別世界です。
ここがダタイ馬のオブジェと、吹き抜けのエントランスEntrance
ダタイを訪れてまず目に入るのが、どの紹介でも登場する馬のオブジェ。これを見ると「ああ、ダタイに来たんだ」という気分になります。ラグジュアリーというより落ち着いた雰囲気ですが、高い木造の屋根が完全に吹き抜けになったその奥には雄大なジャングルと海が広がり、自然の真ん中にいることを体感させてくれます。中央には蓮の花が浮かぶ池。蛙の声すら、この山奥で聞くと神秘的に思えてくるから不思議です。奥にはカフェエリアがあり、メインプール・ジャングル・海を眺めながらのんびり過ごせます。夜には楽器が奏でられていることも。
蓮池に沿う長い回廊。スコールの日は、屋根から雨が滝のように落ちる様子をただ眺めて過ごします。雨が強いほど、異国の山奥にいる実感が深まります。
- 繁華街クアタウンとは島の真逆。島内の各スポットへはタクシーで遠く、観光拠点には向かない
- ランカウイ島観光もしたいなら、市街地の別ホテルに泊まるか、観光用に1日設けるのが効率的
- 外(敷地外)は本当に何もないジャングルの道。迷うとどうにもならないので散策はほどほどに
本館か、ヴィラか。
客室は大きく本館とヴィラの2系統。本館はやや高い位置にあり眺望抜群で、最上階からはアンダマン海を見渡せます。ヴィラはジャングルの中に点在し、窓の外も一歩出ても森一色。元記事の客室タイプと当時の目安料金を整理しました。
眺望◎本館(デラックス〜ダタイスイート)Main Building
本館はやや高い位置にあるため眺望が素晴らしく、最上階からはアンダマン海を見渡せます。室内は勾配のついた木造のピラミッド型天井に磨かれた板張りの床、キングサイズのベッドと窓辺のデイベッドという落ち着いた構成。スタンダードにあたるデラックスルーム(62.5m²・44室/1,700RM 約68,000円)を基準に、内部はほぼ同一で最上階のプレミアムルーム(62.5m²・10室/1,900RM 約76,000円)、角部屋のコーナースイート(109m²・2室/3,100RM 約124,000円)とエンドスイート(125m²・9室/3,600RM 約144,000円・1ベッド最上位)、そして本館最上位のダタイスイート(258m²・1室/8,500RM 約340,000円・2ベッド2バス)まで。作りはシンプルですが細部まで整えられ、探検すると随所に演出が見つかります。
バスルームは左右対称の贅沢なつくり。ダブルシンクの中央に据えられた浴槽、頭上には木の勾配天井とシーリングファン。お香を焚きながら湯に浸れば、日本の疲れも吹き飛びます。
森一色ヴィラ(森の中の一棟貸し)Villa
ヴィラはダタイの森の中に点在し、窓から見える景色も外に出ても森一色。ベッドのすぐ脇の大きな窓にはジャングルの緑がそのまま映り込み、自分専用の建物にこもる時間は、ただただ至福の一言です。標準のスーペリオルヴィラ(93m²・35室/2,200RM 約88,000円)から、小型専用プール付きのプールヴィラ(120m²/2,800RM 約112,000円)、2ベッド2バスのプールスイート(165m²/5,500RM 約220,000円)、海沿いのビーチヴィラ(218m²・13室/4,090RM〜・2ベッドは475m²で11,500RM 約460,000円)まで。さらに車で5分の場所には、サイトに載らない最上級スイート群「VILLA HUTAN DATAI」(HUTAN=森林)もあり、詳細はホテルへ要問合せです。


左:ヴィラのウッドデッキはジャングルに張り出し、リクライニングチェアでただ森を眺める時間が至福。右:苔むした瓦屋根のヴィラは、深い緑にすっかり溶け込んでいます。
大人だけの、静かな水辺。
ダタイには大人専用のメインプールと、宿泊者だけのプライベートビーチ「ダタイベイ」があります。どちらも“泳ぐ”より“過ごす”ための場所。何もせずのんびりするのが、ここでの正解です。
年齢制限ありメインプール(大人専用)Main Pool
年齢制限があり大人だけが入れる静寂のプール。茅葺き屋根のプールバーを正面に、周囲をジャングルの木々が囲む——これぞリゾート、というたたずまいで、外国のリゾートらしく入っている人はそう多くありません。夕暮れには水面に空が映り込み、夜間はライトアップされて眺めながら食事やコーヒーをいただけます。ライトアップは終日点いているので、夜中に来ると昼とは違う気分を味わえます。周りはジャングルなので、時には猿が紛れ込んでくることも。メインプールから海へは歩道が整備され、ジャングルに橋を通したようなその道では様々な動植物(特に猿)に出会えます。ただし夜間のライトアップはなく漆黒の闇。夜の移動は素直にバギーを呼びましょう。
宿泊者専用ダタイベイ(プライベートビーチ)Datai Bay
宿泊者専用のプライベートビーチ。ボーイがバスタオルを敷いてくれ、前には海、後ろには森と山。編集部はソファがお気に入りで、ごろんと寝転んで過ごす時間は実に贅沢でした。基本的に泳いでいる人は少なく、大半はビーチベッドで横になっています。ソファは人気なので早めの時間帯に。スタッフにお酒や軽食を頼め、時折チョコレートやアイスの差し入れもあります。透明度は「高くない」とも言われますが日によりけりで、天気が良い日は写真の通り、青空とエメラルドの海に岬や小島が浮かぶ絶景に。朝焼け、夕日、運が良ければ深夜に満天の星空も。遠くにはアンダマン(同じビーチの別エリア)も見えます。


左:木陰のソファに腰かけ、カクテル片手に海と島影を眺める——ダタイベイの正しい過ごし方。右:ジャングルに縁取られた白砂と、穏やかな入江の浅瀬。
異国の中で、異国の料理を。
ダタイには複数の食事会場があり、ヨーロピアンから地元マレー・タイ・インド料理まで揃います。もちろん部屋食も可能。立地ごとに性格の違う5会場+特別ダイニングを編集してまとめました。
朝食はここザ・ダイニングルーム(朝食会場)The Dining Room
ヨーロッパ料理とマレー料理を出す会場で、朝食会場もこちら。エントランスの真下に配置されています。クロワッサンや寿司、カットフルーツに搾りたてのジュース——「THE DATAI」のカードが添えられた一皿から、ダタイの一日が始まります。眺めのいいテラス席で、まずは静かに朝を迎えましょう。
夜が良いザ・グライハウス(夜のジャングルレストラン)The Glai House
ザ・グライハウスはジャングルの中に配置されたインド風マレー料理(ディナー専門)。木造のテーブルに吊り下げランタンの灯りがゆれ、暗い森に包まれた中で食事をする時間は、ここでしか味わえないロマンチックな体験です。このほかザ・パビリオンはメインプール脇のタイ料理(ディナー専門)、ザ・ビーチクラブは海沿いの欧米料理、ロビーラウンジはエントランス奥で軽食やカフェ。さらに要申し込みで、プライベートビーチに食事場所を設える「スペシャルダイニング」もあります。


左:ビーチクラブのハンバーガーとフライドポテト。海と島を眺めながらの一皿は格別。右:ザ・ダイニングルームのテラス席。白いパラソルの向こうはジャングルです。
🧾 飲食・滞在の費用感(元記事の当時目安)
払う所ではそこそこ取られるが、その分サービスは行き届いている
自然と、サービスと。
ダタイの魅力は施設だけではありません。手つかずのジャングルが見せる自然の表情と、たまたま当たったスタッフですら忘れられないホスピタリティ。元記事でいちばん熱がこもっていた部分です。
本格派高級スパ(貸切ヴィラ施術)Spa
スパは専用のヴィラを一棟貸し切りで施術が受けられる本格派。竹林に挟まれた木道を渡った先、ジャングルの奥に「THE SPA」と記された棟がひっそりと佇みます。要予約で、カップルでも同じヴィラで受けられます(同室で要着替え・お風呂が一つな点は留意を)。昼間は光が入りかなり明るい雰囲気。RAMUANマッサージは60分350RM・90分490RM・120分590RM、ヒーティングストーンも同額帯。ボディスクラブ/ラップ各270RM、フェイシャル540RM、180分のフルリチュアル「The Ramuan Ritual」は1,170RMなど。費用はかかりますが、落ち着いた時間を過ごせます。
名物は猿バギー移動と、ジャングルの住人たちBuggy & Nature
館内移動は徒歩かバギー。エントランスからビーチまでは結構な距離があり、バギーなら3〜5分、徒歩で5〜10分ほど。両サイドに仕切りがなく風を感じながら移動でき、すれ違える道幅もありスムーズ。ちょっと疲れたときにアトラクション気分で乗れます。自然はとにかく濃く、いちばん目にする動物は猿。写真のように、テラスの甕の脇を当たり前のように歩いています。ベランダの施錠は必須で、理由は泥棒ではなく猿が入ってくるから。空には鷲、道端には大きなトカゲ、ヤモリ(守り神だそう)は見飽きるほど。ただし棲み分けはできていて、食料を持っていなければ落ち着いたものです。
忘れられない、深夜のバギー
サービスは本当に良いです。部屋は一日に何度も清掃され、部屋付きのフリードリンクも充実。何よりスタッフが温かい。
深夜4時頃、星を見に外へ出かけたところ、スタッフの方に「May I help you?」と声をかけられました。拙い英語で「星が見たいのだが良い場所はあるか」と尋ねると、バギーで海まで連れて行ってくれ、しかも一時間後には迎えのバギーまで。道中はちょっと寄り道して、夜中の自然まで見せてくれました。たまたま当たっただけのスタッフがこれだけのホスピタリティを持っている——本当に素晴らしいホテルだと、うれしく思ったのを覚えています。
夜、ベッドメイクのあとに置かれていたターンダウンの一品。「THE DATAI」と綴られた葉のメッセージに、チョコレートのトリュフが2つ。こうしたさりげない心遣いが、滞在の記憶に残ります。
体験できること、知っておくこと。
無料で質の高いネイチャーウォークから有料ツアー、海遊び、そしてアメニティやお土産まで。滞在前に押さえておきたい実用情報をまとめました。
朝夕無料ネイチャーウォークとツアーActivities
一番のおすすめは無料のネイチャーウォーク。写真のように、敷地内には熱帯雨林を縫う木道(ボードウォーク)が整備されています。ランカウイ島では大変有名(ナショナルジオグラフィックの回に出るほど)なガイドが案内してくれます。朝は08:00〜09:30(月曜以外・植物や鳥中心)、夕方は19:00〜20:30(火木土・動物中心)で、各12名限定なので早めの予約を。それ以外は1名250RM前後の有料ツアー(ジオパーククルーズ、マングローブクルーズ、ジャングルトレッキング、バードウォッチング等)。海ではカヤックやスキューバ道具の貸出(一部無料)があり、救命胴衣も借りられます。アンダマン海をカヤックで出れば、向かいはタイという秘境感を味わえます。

アメニティ・お土産・日本人スタッフAmenities
ドライヤー、バスローブ、Wi-Fi、スリッパ、シャンプー類(ボトル配備)など基本アメニティは全室整備。マレーシアは高級ホテルでも歯ブラシがないことがありますが、ダタイにはありました。冷蔵庫には無料の水・ソーダ・ペプシ・ジュース類が毎日補充され(写真は客室ミニバー。「THE DATAI」ブランドの水やカールスバーグ、ペプシ等が並びます。エビアンは有料)。蚊よけも20RMで配備。館内にはお土産屋もあり市街より高めですが品は良く、小物入れや皿、ビーチサンダルなどが買えます。なお昼間は日本人スタッフが在席するので、英語に不安があれば助けを求めましょう。
- スコールは15〜30分でやむ。気配があれば屋内(ビーチクラブ/ロビーラウンジ)へ避難し、コーヒーでも飲みながら雨を眺めるのも一興
- バギーのチップは都度渡すと細かいリンギットがすぐ尽きる。わがままな依頼(深夜移動など)の時とベッドメイク程度で十分
- ネイチャーウォークは各12名限定。参加したいなら到着後すぐ予約を
- 常備したい飲食物は空港などで事前購入を。ルームサービスは頼めるが品揃えは限られる
- 森と海の大自然の中で日常を忘れて過ごせる
- 宿泊者専用のプライベートビーチと大人専用プール
- 行き届いたサービスとスタッフのホスピタリティ
- バギー無料・部屋の水やジュース無料・ビーチでの差し入れ
- クアタウンと真逆で島内観光には非効率(要タクシー)
- 活発なアクティビティやにぎやかさを求める人には不向き
- 払う場面(食事・スパ・酒)は日本の高級ホテル並み
- 敷地外は何もないジャングル。夜の徒歩移動は危険
泊まってみての感想
ランカウイ島では古くからある超人気ホテルですが、やはり期待を裏切らない素晴らしいホテルでした。日本でのあわただしい日常を忘れて、人里離れた森と海の大自然の中でゆったり過ごす——これを目的とするなら、ダタイには是非いくべきです。
専用のプライベートビーチでソファにごろんと寝転び、前には海、後ろには森と山。邪魔するものは何もなく、ただのんびりと時間を過ごす。日本ではこうはできない、海外のビーチリゾートだからできる贅沢でした。スコールが降ればおとなしく雨を眺め、夜には満天の星を探しに行く。施設の良さもさることながら、その自然とスタッフの温かさが忘れられません。
ひとつだけ注意を。ランカウイ島の繁華街クアタウンとは真逆に存在するため、島内の各スポットへは遠い距離をタクシーで移動することになり、観光拠点としては大変非効率です。島めぐりもしたいなら、市街地の別ホテルに泊まるか専用の日を設けるのが賢明でしょう。それでも——自分は死ぬまでにいつか、是非もう一度足を運びたいと思っています。
森と海の奥で、ただ何もしない。
それが、ダタイで叶う最高の贅沢です♪
ランカウイ島を、もっと。






